8月の北アルプスの旅の後、野人ハッシーとどこかの山に登りに行こうと計画を立てていました。「んじゃ、白山にでも登りましょうか」とハッシー。
しかし北千住からは、登山口のある石川県白山市はあまりにも遠い。
600km近い道のりを車で走り、そこから登山を開始することになる。
ただのドライブでもこんなには、走りません。
そしてドライブの終着点がスタート地点なんです。
「車の運転は任せてください!!余裕です!」このハッシーの発言、最初は勢いで口から出たハッタリ的なものだと思ってました。
下山後にこの言葉が嘘ではない事を知るのですが・・・。
野人と野犬が、加賀の名峰「白山」を目指す弾丸旅行が今、幕をあけます。
9月15日20:00
仕事終わりの私をわざわざ、神奈川県からハッシーが迎えに来てくれました。
夜の首都高を走り、中央道を経て山梨方面に向かいます。
ハッシーの車に搭載されているナビは2006年の物なので、新しく開通した道路には対応していません。
基本的には、全国各地を旅しているハッシーの脳内地図で走ります。
21:20 みんな大好き談合坂で小休憩をします。
お嬢様聖水がRed BullやリポDと肩を並べています。
ドラクエ5で嫁にお転婆娘ビアンカを選んだ私は買いませんでした。
さらに車を走らせること1時間半。サービスエリアで再び休憩します。
みんな大好き上高地の前を流れてるでお馴染みの梓川です。そういえばこの川に流されたやつがいたっけな。その話もいつか記事にしたいものです。
ナビを見ると山と高原地図に負けないくらい、北アルプスのスーパースター軍団が表示されていました。
実はこの旅の行きの道中で我々は1度死にかけています。
片道1車線で真ん中にポールが等間隔に立っている道路で事件は起きました。
前を走るトラックが、ポールをへし折って反対車線へ突っ込んでいきました。
へし折ったポールがハッシーの運転する車の方へ転がってきたのでそれをうまく回避して、元の車線に戻ろうとするトラックの脇をブチ抜いて事なきを得ました。
すぐに反対車線からも大型トラックがやってきて、トラック同士が正面衝突しそうになってましたが、ぎりぎりでかわしてました。
私は起こった事態に唖然としてました。
草津白根で熊にあった時と同じでカメラって、こういうとき撮れないもんです。
居眠り運転ってマジで怖いなと痛感しました。
東京⇒山梨⇒長野⇒新潟⇒富山を経て、石川県白山市の別当出合登山口に到着したのはAM4:00を回っていました。
とりあえず、睡眠とらずに登るのは辛いので仮眠をとる事にします。
明るくなれば起きるだろうと、目覚ましをセットしない野人スタイルです。
AM5:50 起床します。1時間半くらいは寝れたと思います。
外はすっかり明るくなっていました。
天気予報が一日曇りだったので、こんなもんだろうなと思いつつ支度を始めます。
駐車場にも秋の到来を感じさせるススキが咲いていました。
AM6:30 平日ですが、結構な台数が駐車してました。
トイレを済まして出発します・・・。ん?トイレが無いんだが??
「トイレまで登り10分…だと…?」
この道のりでどれだけの登山者が、人間を辞めていったかと思うと恐ろしくて考えるのはやめておきます。
そして、いきなり容赦のない登りが始まります。
「じょ…、上等だこのやろー」
そういえば駐車場にはほとんど人がいなく、この時間に出発したのんびり屋さんは、我々ぐらいでしょうか?
無人の登山道をトイレ目指して進んでいきます。
気付けば3分ほどでトイレのある別当出合登山センターにつきました。
この時点の標高が1260m。それに対して最高峰の御前峰(ごぜんがみね)は2702mと、1400m以上の標高差を登ることになります。
なかなかのハードな登山になりそうです。
ここで登山ブログらしくコースタイムを載せることにします。
6:30別当出合登山口→7:00中飯場→7:30別当覗→7:52甚之助避難小屋→8:04小休憩→8:17南竜道分岐→8:47黒ボコ岩→9:00小休憩→9:09エコーライン分岐→9:21白山室堂→10:00白山山頂(御前峰)→小休憩10:19→白山室堂10:36→11:45昼休憩→11:58黒ボコ岩→12:28殿ヶ池避難小屋→13:15別当坂分岐→13:58別当出合登山口
コースタイム約7時間30分(内休憩時間1時間30分)
御前峰までの道のりはいくつかありますが、我々は最短だと思われるルートを選びました。
てか、コースタイム短いのを単に選んだだけなんですが。
登りで使う砂防新道のスタート地点が見えます。大きな鳥居が目印です。
地図上だと登り危険と書いてあります。逆に下りで利用予定の観光新道は下り危険と書いてありました。
野人にはそんなものは関係ありません。そのまま突っ込みます!
白山は日本三大霊山の一つであり登山道では無く登拝道になっております。
霊山は、白装束を纏った修験者がよく登ってる姿を他のブログでよく見かけるのですが
この日は一人もみかけなかったな。
砂防新道を行く我々を熊が、「こんにちはがんばってください(棒読み)」とねぎらってくれていました。
砂防新道のスタートには吊り橋があります。結構な大きさです。
砂防新道という名前だけあって吊り橋からは、土砂崩れ防止の砂防ダムを望むことが出来ます。
地味にタマの縮む吊り橋を越えると、ジャングルのような樹林帯の登山道が姿を現します。言うまでもなく登り一辺倒の長い道のりのスタートです。
トウキが咲いています。
白山は、花の百名山にも選定されており、ハクサン〇〇といったような白山の名を冠する花の発祥でもあります。
しかし、最盛期からずれているため終わりかけの花が多かった気がします。
サラシナショウマが咲いています。白いウインナーみたいです。
まずは、中飯場(なかはんば)を目指します。
急登をぐんぐん登っていきます。体力・体調・酔狂度、お互いのコンディションはなかなか良いようです。
土嚢を積んだロープ場が登場したりもしますが、特に危険な所はありません。
砂防新道は立派な標識が、これでもかと言うくらい建っています。
200m進むとまた標識があったりもします。今まで歩いた登山道で一番標識が多かったかもしれません。
綺麗な紫色の花はノコンギクです。ネットでこの花を探すのに一番苦戦しました。
マジで名前が分からんかった。
中飯場にたどり着きました。写真に写っているおじさんは、手ぶらで登ってました。
持ち物はタバコぐらいでした。
まさか山頂まで行く気なんでしょうか?
砂防ダムの上流が見えます。白山も水の豊富な山だということがよく分かります。
ハッシーの着用しているTシャツは恐山で購入したものです。白山は霊山と言うこともあって、同じ霊山のTシャツで登るのが野人流なんですね!!
勉強になります!!!
カラーリングが黒と金色とギャルが好きなカラーですね。渋谷の街でもこれを着たギャルが歩く未来が来るかもしれません。(遠い目)
砂防ダムのアップと職人さん用の仮設小屋。
山の景観が人工物がある為、損なわれるという人がいますが、これによって自然災害が減っているんだし仕方がないことだと思います。
個人的にはこれがこの山の歴史ということでいいのではないのでしょうか。
行っている工事やその必要性を書いた掲示板がありました。
忍者募集のポスターはありませんでした。
写真左手に建設中のロープウェイのような物があります。
まさか白山もロープウェイで簡単登山出来てしまう日が来るのか!?と妄想が独り歩きをしました。
登山道に赤い実の謎の植物がありました。実が食べられるのか気になりましたが、
幼少期に道に落ちてるものを拾って食べてはダメと言い聞かされていたのでやめておきます。
ここでも、ノコンギクが沢山咲いてました。しかし終わりかけ感が否めないです。
やはり真夏に再訪すべき山です。
巨大な木の上を進んでいきます。笑ってしまうくらい、登りです。
下って登り返すとか皆無です。緩やかな道?なんですかそれ??
時折、太陽が雲を貫いて姿を見せます。
山頂でワンチャンス期待してしまう自分がいます。
先行者の人がビニ傘を杖代わりにして登ってました。
さっきのおじさんといい、なんなんだここは?
こうなったら、さきいか食べながら登るしかねぇ!!と無駄に張り合おうとしましたが持ってませんでした。
終わりかけのアザミ
ハクサントリカブトも咲いてました。
AM7:52 甚之助避難小屋に到着しました。
立派な避難小屋でした。中もかなり綺麗です!
雨の時はここで休憩するといいかもしれません。
らくがき帳がありました。2015年8月~となってますが、その割にはボロボロすぎじゃないか??たった1ヶ月の間にいったい何があったのでしょうか?
ドキュメンタリー番組として放送する日が来るのを楽しみにまってます。
外のベンチは結構な数の人で埋め尽くされていました。
ベンチが開いたので休憩します。
驚くべきは避難小屋に水道があったことです。
先ほどの中飯場にもトイレと水道があり、白山の水洗レベルの高さがうかがえます。
避難小屋を後にした我々は、最初の分岐を経て黒ボコ岩に至るルートを進みます。
1km先にある南竜ヶ馬場を目指します。
南竜ヶ馬場からの道は視界が開け、気持ちのいい山歩きを楽しめます。
9月に入っているので、山肌も少しずつ紅葉がはじまってきています。
10月上旬あたりに訪れたらかなり綺麗なはず!
シシウドが咲いてます!白い花火のようです。てかカリフラワーみたい!
奥に見える稜線はおそらく、下りで使う観光新道でしょう。登山者が見えます。
色んなルート歩きたいんで、できるだけピストンは避けたい所。
黒ボコ岩までの登山道は、かなり水量豊富で岩場を水が伝って流れていました。
カライトソウが咲いています。
振り返ると見える山は別山でしょうか?方角的にはそのはずです。
水浸しの登山道を進んでいきます。
落石注意な地点がありました。ここ以外にもう一か所くらいありました。
ミニ砂防ダムがありました。地図には増水時注意と書いてありました。
悪天候だと5つの穴から水が飛び出すのでしょうか?
誰か私の代わりに、悪天候の時に確認してきてください。
いつのまにか結構な数の登山者をごぼう抜きしたので、
うさぎとかめのうさぎ状態です。このまま昼寝でもかませりゃ楽ですが、
山頂を我々は踏まなきゃならんので、かめさんごめんね。
何の話をしてるのでしょうか。書いてる自分でもよく分かりません。
ミニ砂防ダムの上を渡って進んでいくと、黒ボコ岩まであと少しです。
途中に霊峰白山「延命水」なる水場がありました。いつもは飲むんですが、何故か飲み忘れてしまいました。
このブログを延命させる為には必須事項ともいうべき行為でした。
延命処置を怠った我々の目の前に巨大な岩が現れました。
インディージョーンズのトラップで使われそうな岩が黒ボコ岩です。
右の岩がドクロみたいでかっこいいです。
気付けば標高も2320mとかなり登ってきたことが分かります。
ずっと無慈悲な急登を登ってりゃこの標高にもなりますわ!!
またこの岩も登ってみたくなる岩である。と言いたくなる様な黒ボコ岩に登りたいのは
至極当然の行為でしょう。
室堂まで、あと少し!ちょっと休憩します。
登山に持ってくおやつって楽しみの一つですよね。私はパウンドケーキが好きなので今日はかぼちゃをチョイスしました。
黒ボコ岩から見える斜面はところどころ紅葉していました。
黒ボコ岩のすぐ前には弥陀ヶ原が広がっています。
室堂へ向かう最後の登り坂へと木道が伸びています。
ここでようやく白山の山頂にお目にかかれました。
「どーもお初です。」
白い花が咲いてましたが、名前が分かりません。枯れかけ?だから本来の姿では、無いのかもしれません。
木道の終点から再び容赦のない登りが始まりました。
中腹から見下ろす弥陀ヶ原もとても綺麗です。
足元に目をやるとシラタマノキが咲いていました。かなり小さいので見落としそうでした。
AM9:20 室堂に到着しました。小屋の規模としてはかなり大きいです。これからの紅葉シーズンは激コミ間違いないでしょう。
登山者の誰もがここで一息ついて山頂へ向かうのでしょうが、我々はスルーして先にピークハントしに行きます。
先日の御岳山に引き続き、白山神社も絶賛改装中でした。
マジか・・・!
山頂からは各御池を周遊できるルートがあります。
これは魅力的ですね。
まさかの山頂手前で、工事現場の足場を行きます。
逆に考えれば、ミスマッチなこの雰囲気は今しか楽しめません。
俺は、なんてラッキーなんだ!!・・・・と書けば書くほどむなしくなります。
上から見ると室堂がいかに巨大施設かが分かります。収容人数は750人と、規模としては日本で3番目だそうです。1番は白馬岳の白馬山荘の1200人です。
目の前にそびえているのは別山です。白山と同じ加越山地に属している山です。
雲海から顔を出している山域がありますが、方角的には北アルプスだと思うんだけど、何の山までかは不明です。
ここで奇跡が起きました。白山に高天ヶ原がありました。
字こそ違えど、先月の雲ノ平で行くことが出来なかった高天原にリベンジを果たした気分です。
sea-nov氏!ジャムロ!やったよ!!!
神社マニアのハッシーも大興奮の白山奥宮が見えたらゴールです。
AM10:00 白山山頂である御前峰に登頂完了です。
そして一応青空も見えるってのがね。最近は天気にそこそこ恵まれてるみたいです。
明日は大雨の予報ですが・・・
山頂からお池が見えます。「おや・・・?あの奥に見えるのはガースーですね。」
2秒で我々はお池巡りを脳の記憶から消し去りました。
山頂標識を振り返ると見えたのは北アルプスの稜線でした。
先月は向こう側からこの白山を眺めていたと思うと感慨深いものがあります。
そして写真中央に見える北アのシンボル、槍ヶ岳もかろうじて見えました。
どうやら我々は、雲の層と層の間にいるようです。
白山奥宮と別山。雲の模様が枯山水ぽい!
すごくいい眺めです。
白山山頂を堪能した我々は下山を開始します。
山頂で写真とってくれた3人組のパーティの方々が面白かったです。ありがとう!!
室堂にも雲が大分あがってきました。とりあえず室堂で昼メシタイムとします。
室堂の休憩室で、カップヌードルを食ってたら、10分後にラーメン、うどん、カレーの販売が開始されました。
教えてくれてもいいのにね・・・。
室堂の売店は品数多くて目移りしました。
私は個人的にステッカーがおすすめです。色は白と黒がありました。
白山と言えば白でしょ!!というわけで白を買いました。最後の1枚でした。
黒ボコ岩の分岐まで戻ってきました。帰りは右の観光新道を進みます。
ガッスガスの残念な下山道を進んでいきます。
黄色い花。名前は不明
ハクサンフウロが咲いてました。やっぱこの花好きです。
花言葉は「変わらぬ信頼」 ・・・・なんかいい。
マツムシソウはきれいな紫色で目立っていました。
アザミ。終わりかけで無いのも咲いてて良かった。
このように観光新道の方が花はたくさん咲いてました。この辺まではね。
なにこれ怖い。黒いブロッコリーみたいな物が群生しています。
ガスとの相乗効果でこの世の終わりな景色が広がってます。
多分コイツが枯れると上のカオスブロッコリーに変身するっぽいです。
観光新道にも避難小屋が1軒ありました。
少し腰を下ろして休憩します。
観光新道は砂防新道と違い、標識がかなり少ないです。どれだけ進んでるかが分からず正直歩いててキツイです。
こんなときは素晴らしい景色で口直ししましょう。
こちらがガスです。
しばらく下ると簡単な岩場が出てきます。
岩でできた天然のトンネルと待望の標識がありました。
なんとここでようやく半分か・・・。とてつもなく長かった気がします。
岩のトンネルを抜けると、ひたすら退屈な樹林帯を歩き続けます。
遠くに駐車場が見えました!!やっと帰ってきた!!!
あれ?でもどうやってあそこまで行くんだ??
白山禅定道と別当出合の分岐がでてきました。左に行くと別当出合方面です。
あの~・・・。どんどん下っていくんですが・・・。
あれ?駐車場がどんどん離れていくんですが??どういうことだ???
これは悪魔的登り返しが来るのではないかと不安になります。
こうなったら奥の手だ!!と、トラックに「へい!!タクシー!!!」と手を振りましたが、無視されました。
絶望の中で下っていると・・。あれ??別当出合発見!!さっきの駐車場は違ったみたいです。
誰だって間違いってあるよね~。AHAHAHAHAHAHA
下山後はお決まりの炭酸を飲み干して白山を後にします。
駐車場を出発して、下山後のお楽しみタイムでもある温泉へと向かいます。
白峰温泉総湯にやってまいりました。
内湯のほかに露天風呂もあり、登山の疲れをゆっくり癒すことができます。
白山のゆる?キャラでもあるハクさんが、出迎えてくれましたが、年齢が893歳では無かったことにショックを受けました。
というわけで、登山編のお話はここまでです。ここからハッシーの本領発揮となります。果たしてこの先にどんな出来事が待っているのでしょうか。
◎まとめ◎
白山は、訪れた時期が遅かったのもありますが、それでも登山道には花が多く咲いています。
噂通りの花の名山であることは登っていて良く分かりました。ハイシーズンには沢山の花が咲き乱れる色鮮やかな山肌を眺めることができるでしょう。
砂防新道は、ひたすら急登を登っていくシンプルで男くさい登山が楽しめます。
観光新道は、時期を狙えばお花畑を楽しめます。ただ悪天候の場合はだらだらと長く続く樹林帯に嫌気が差すでしょう。
山頂からは両白山地や北アルプスを望むことができます。そしてお池巡りは、天候の良いときにやってみたいと思います。
野人と野犬の弾丸車中泊の旅。後編へ続く!!