【祖母山縦走登山Day1】傾く心、迫る時間、静寂に包まれた旅人達
2018年5月18日〜20日の3連休を使って九州に遠征してきました。
GW明けの穴場な時期を狙ってsea-nov氏と行ってきましたよ!
久しぶりのがっつり系登山に挑む二人の男の遅れてやってきたバカンスが今始まるッ!
て、バカンスなんてもんじゃ無い、大馬鹿ンスだわ!
本当にしんどかったわ〜、、、でもね、、、どんな登山も思い出になると楽しいのよね!そんな人々を不思議な魅力に取り憑かせる登山。
みんな登山しようぜっ!でわでわはじまり〜
祖母山は大分・宮崎県の県境にそびえる山で祖母傾山系の代表的な山でもある。
標高は1756mでこの山も例には漏れず日本百名山ブランドを冠する。
個人的には九州エリアの百名山で一番地味な存在だなぁと思ってた。
でも本当によかったのよ!この山!
おばあちゃ〜〜〜ん!!!(意味不明)
2018年5月18日午前9:00
阿蘇くまもと空港に降り立つ。
行きの空港でテント泊装備でパンパンのリュックが機械に挟まりいきなり旅が詰みそうになりました。
飛行機遅延させるとまずいという事で特別に順番待ちすっ飛ばしての荷物検査となりました、、、ご迷惑をおかけしました。
大変反省しております。〜耕運機を添えて〜
レンタカーを手配した我々は、車を走らせやってきたのは道の駅「あそ 望の郷くぎの」
阿蘇山を一望できる素晴らしいロケーションです。(曇天)
というのもですね。飛行機利用だとガス缶を機内に持ち込めないので現地にて調達しなければならない。
この道の駅にはモンベルがあるのでここで必要なものを調達して再び出発。
車を走らせる事1時間半ほどで景色はみるみるうちに奥深き山岳エリアへと変わってきました。
やってきたのはもみ志や旅館の駐車場。
早速準備をします。
駐車料金を投入後いざ出発です。
まずは傾山登山口に行くためにバス停へと向かいます。ピストンでは無くテント泊縦走の為、下山口に車を置いてバスでスタート地点へと向かうプランです。
尾平鉱山バス停にてバスを待ちます。
豊後大野市が誇る長谷川線コミュニティバスがやってきました(知らんけど)
このバス停の近くにLAMPというキャンプ場もある宿泊施設がありました。
フィンランド式サウナもあるとかめっちゃ気になります。
sea-nov氏ぃ〜!!!もうここで良くない?
バスに揺られる事30分弱、傾山登山口バス停に到着。
健男社にて登山祈願をして出発です。(疲れるから入り口で祈願)
傾山登山口方面へと歩きます。しばらくはアスファルト歩きです。
なんか移動だけで疲れちゃう、、、
すでに山深い。そして時刻は13時半を回っている。
「あんどう」が気になりますが寄り道をしている暇はありません。
(後で調べたら地名のようです)
傾山のえげつない稜線が見えてくる。
や、、、やべえ野郎だぜ、、、
沢を通過します。
使われていない電話ボックス登山届けボックスになってる説は水曜日のダウンタウンで実証される日も近いでしょう。
古代兵器の残骸がありました。
浄水施設でしょうか?この辺りは豊栄鉱山跡があり、昔は採掘で栄えていたのでしょう。
傾山のポピュラーな登山口である九折(つづら)登山口にある休憩所。
ここに車10台くらい停めれます。
WI-FIもあるぞよ。
それでは本日のコースタイムいってみましょう。
14:27九折登山口→14:40三ツ尾分岐→17:57九折越小屋
行動時間3時間30分 休憩なし
ギリギリまで悩んだんですよ。当初は傾山を経て九折越へ行くルートを考えてたのですがスタート時間、コースタイム、厳しい岩場で暗くなった時を考慮して諦めました。
なにより遠距離移動の疲労もあり多分コースタイム通りにも歩けなかったと思う。
まず道なりに進みます。
ここは禁猟区の為、釣りや地引網、桶を使った洗濯などは禁止です。
おとなしく山へ芝刈りに行きましょう。(それも禁止)
いきなり前方の道が崩壊しております。
地滑りなどが起きたのでしょうか?右のはしごから進みます。
渡りきった先から、、、
なんかスペランカーのステージみたいね。
スペランカーとは1985年にファミコン版に移植された海外のゲームである。
その主人公といえば少しの段差から飛び降りても死んでしまう超絶虚弱体質である。
私も数多くのゲームをやってきましたがここまで弱い主人公は見ないです。
スペランカーの意味は「天然の洞窟を探検する者」である。
その華奢な体でなんで行こうと思った?
と、どうでもいい話をしつつ先へと進みます。
まだまだ人工物があります。
石畳を進む。ぐぬぬ、、、テント泊装備が重い。
少しすると傾山への縦走路である三ツ尾への分岐が。
コースタイム通りに行っても九折越小屋へ到着するのが18時半、、、
テン泊装備だしコースタイム巻けるかも分からんので冷静に今回は諦めます。
実際諦めて正解でした。18時半だとだいぶ暗かったから、、、
このように簡単な渡渉があったりします。
もちろん増水時は通れないでしょうね。
木をくぐったりとなかなか忙しい登山道。
いつもより大きいザックがひっかかるんじゃあ!
まだ標高は500mで九折小屋のある地点が1280mくらいなので800m近く登らなきゃいけない。
この標識ありがたいんだけどのちのち心を折ってきます。
再びの渡渉。ペースは上がらない。
傾山行きたかったなぁ。アドレナリン全開の岩場歩きは次回のお楽しみに、、、
とは言え登山道はしっかりしております。
我々が歩いている上畑(うわばた)コースは基本小屋までは一本道なので道迷いもしないと思います。
ギンリョウソウが咲いてました。ツツジの仲間なのね。
みんなが嫌いなカサカサでお馴染みのあの虫と共生してるだなんてね、、、
芥神(あくたがみ)の滝は水量豊富でした。マイナスイオンぷっしゃぁぁぁぁ!
カンカケ谷へ。
沢を少し登ります。
対岸に見えるピンクのリボンを目指します。
これはオオカメノキかな。白い花と亀の甲羅に似た葉が特徴。
ヤブデマリと間違えやすいけど多分これはオオカメノキ。
標高700mの標識。ひえ〜果てしない、、、
ロープ場は慎重に進みます。
朱色の花が鮮やかできれいですね。5月といえばツツジですね〜。
またスクラッチ標識出てきました。ほんとみんなスクラッチ好きよね。
こまめに標識がでてくるのはいいけど進んでる気がしないのよね〜
鉄階段登場。
テン泊装備が重くのしかかる。こなきじじいを背負ってるように足取りが重い。
ええ〜??まだ1000mなの??うそ〜ん
酒瓶の置かれた小さな祠の脇を通過します。
私のこの日のコンディションもあまり良くなかったのでしょうけど完全にバテてました。
ツツジの赤ジュータンで気分はシネマ俳優とは行きません。
私の心は傾山より傾き、太陽も傾きつつあった、、、
曇ってて太陽出てないけどね〜!むしろ雨降ってきたよね〜
砕け散りそうな心と雨の中なんとかたどり着いた開けた場所。
やっと、、、やっとのこと九折越までたどり着きました。
わずか 3時間半の道のりでしたが8時間くらいに感じた。
少し歩くと小屋が見えました。九折小屋(避難小屋)である。
とりあえず小屋に荷物置いて近くの水場で調理水を補給する。
雨が降り続けている、、、止む気配は無い。
「テント張る?もう小屋でよくね?」
「テント泊装備で登った意味とは??いやいや祖母山で使うから!!!」
今日はもう体力的に限界です。
さらば傾山!我々の負けです。
ここをキャンプ地とする!!!
早速小屋の中で夕飯タイム。
ここでいつになく弱音な私はsea-nov氏に「明日来た道戻って下山しませんか?」
と伝えた。
想像以上のテン泊装備の疲労に残りの長い長〜い行程をこなす自信が無くなっていた。
やけんの心は折れかけていたのである。
sea-nov氏「何言ってんの?ここまで来たのに」
私には退路なんて無かったのである。
鬼があああああああ!!!
灯りひとつとして無い暗闇の中、小屋を叩く風の音としとしと降る雨の音だけが聞こえていた。
電波も届かない小屋の中で静かに眠る男たち。
果たして我々は無事に祖母山にたどり着くことができるのであろうか?
そういや、誰にも出会わなかったんだけど百名山だよねこれ?
〜祖母山登山Day2に続く〜