山と犬と挽肉と

やけんの外遊びを綴ったブログです。

【巻機山登山】ヌクビ沢コースで行くスーパーデンジャラスアドベンチャー

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2016年7月22日 巻機山に行ってきました。いつもなら時間こそ長いものの楽しい登山をしてきた我々ですが、今回は違いました。

もちろん楽しかったんですけど、かなりの難ルートがそこには待っていた。

ヌクビ沢藪漕ぎ高巻き、この3つの言葉が仲間内で禁止ワードになるくらい危険きわまりない13時間に及ぶ過酷な登山行程と0泊3日の凶行日程の幕が開けるッ!!

世間はフジロックで盛り上がる中、何の因果かすぐ近くまで登山しに来た我々の大冒険のお話である。

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巻機山新潟県群馬県に跨る標高1967mの山で日本百名山の一角でもある。

主な一般登山道は桜坂駐車場から井戸尾根コースをピストンで歩くのですが、この巻機山はその他にもいくつかルートがありどれも厄介な難ルートだったりする。

我々が歩いたヌクビ沢コースも地図上では破線になっており上級者コースに分類されている。「ピストンじゃもったいないからヌクビ沢コースで山頂目指して井戸尾根で下山しよう」この選択技が後にこの過酷な登山へ繋がるとはこの時は誰も予想だにしていなかった。

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これは、北千住山部結成以来、最難関の登山ルートに挑んだ5人の激闘の記録である。

それではこの過酷極まる旅路に巻き込まれた哀れなドM達をご紹介しよう。

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当ブログ登場回数のトップ争いを繰り広げるでお馴染みの言わずもがな北千住山部のリーダーであるsea-nov氏。数ある珍道中においてこの人抜きでは語れません。

仲間内からは登山の為なら宵越しの銭は持たないという今を生きる男で知られている。

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北千住山部の女子力0山ガールの510さんもこの危険な香りのする登山に誘い出された夜の蝶である。

仲間内からはギャンブル好きで知られており、その歩んできた人生はヌクビ沢コースより遥かに難路だったとか。

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北千住山部の新星であるしゅーこーさん。メンバー最年少であり新婚さんでもあったりする。

仲間内からは登山する格好がまるで売れないミュージシャンみたいといじられていたが、今回は違う!!売れない映画助監督の姿で参戦!

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北千住山部一番の酒好きでありDJもこなすメンバー随一の雑学王であるツカトン。

仲間内からは痛風持ちで知られており、なおかつヘタレでもよく知られている。

ムードメーカーである彼が今回の旅で、色々な意味でMVPだったけどね。

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そして北千住山部の書記であるわたくし、やけんを含めた5人である。

仲間内からはシンプルに頭がおかしいと言われています。

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7月21日夜、仕事を終えた我々はレンタカーを手配して北千住を出発した。

珍しく道中は割愛しますが(というのも何故かあまり写真を撮っていなかった)突筆することがあるとしたらツカトンが車内でフリースタイルをかましてしゅーこーさんをディスっていた事ぐらいでしょうか?珍しくキレキレのラップで絶好調なツカトンだったな〜。

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巻機山登山の出発点である桜坂駐車場に到着したのは日付変わって深夜2:30であった。

ここですぐ仮眠をとるべきだったがテンションが上がっていた事もありビールで乾杯、

1杯だけ飲んで仮眠をとる事に、ツカトンだけは最後まで飲んでいました。

大した余裕だな、、、

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寝たのか寝てないのか分からない2時間弱の後に準備を開始する。

空は少しずつ明るくなってきていた。

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桜坂駐車場は有料となっていましたが、係員はまだ来てなかったようでとりあえずそのまま出発しました。

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正面にトイレもありますが、期待に添えるレベルではないので悪しからず。

あるだけマシです。

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しゅーこーさんは毎度の事ながら、その辺の街に繰り出すようなスタイルでした。

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登山届を書いて出します。今回ばかりは書いておいてよかった、、、別に遭難したわけでもないが、やはりこういうものはしっかり提出しておくべきですね。

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天気はまずまずですね。そもそも今回の登山も元々は北アルプス燕岳に行く予定であったのだが天候不良により晴れているエリアを急遽探してからの登山であった。

本音言うと、私は今回の登山は燕岳を中止にした時点で行かないつもりだったのだ。

私以外の全員が登山装備をしっかり会社に持ってきていたので慌てて登山装備を家に取りに行ったほどであった。

そして、大抵気乗りしない時に無理に行くとロクな目に合わなかったりすることも今までの経験で多々あったりする。

要するに学習してませんね私は、、、あはははは・・・・

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さっそく花を発見!ガクアジサイが駐車場に咲いていました。

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駐車場を奥へ進むといきなり看板が威嚇してきます。入山禁止??否、初心者の方は入山禁止って小さく書いてありますね。

ここでビビってしまう人も多いのではないでしょうか?

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その向かい辺りに立っている看板。

いやいやいや!さっきとは天と地の内容だぞ!!

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登山道入口という看板に沿ってまずは進みましょう。

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ここで本日のコースタイムをご紹介。参考にはならないレベルとなってます。

5:33桜坂駐車場→6:12巻道分岐→7:37アイガメノ滝→8:54布干岩→13:53ヌクビ沢コース終点→14:42巻機山山頂→15:40ニセ巻機山→17:36五合目→18:42桜坂駐車場

行動時間 13時間9分 休憩時間不明

コースタイムも遅れまくりですね・・・道迷いも遅れた原因の一つであろう。

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すぐ現れるクマに注意の看板。妙にリアルでこわいんだが、、、

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少し進むとこのようにコースが二手に分かれます。

右へ行くといわゆる一般登山道の井戸尾根コース (安全な道のり)

左へ行くといわゆる非一般登山道のヌクビ沢コース (危険な道のり)

さて左を行きましょう。

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ぬかるんだ道を進みます。

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立派なヤマユリが咲いている。花を愛でる登山というわけには行かない今回の登山なんだがね。

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塩沢山岳会の管理する山小屋。その脇を進んでいきます。

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頼りない標識が山頂への道を示していた。

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歩き始めて5分。え??なにこれ?

開始5分からの藪漕ぎである。

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藤岡弘の探検隊かよ!!ってツッコミを入れたくなるような道に全員が躊躇したのだが、この日のツカトンは違った。

「ここは俺が先頭で行きますよ!!」どうしたんだツカトン・・・今日はブレイブの値が相当高いんじゃないか!!

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背丈以上に草木が生い茂るジャングルのような道は、前を歩いている仲間の姿が完全に隠れてしまうほどである。はぐれないように声を掛け合い進んで行くのがいいかと思う。

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さっそく足元に水が!沢のコースだけありますな。

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再びに藪漕ぎが始まる。そういや私は虫が嫌いなんですが、正直そんな事言ってられない。蜘蛛の巣と巨大蜘蛛はsea-nov氏がストックで払って進む。

この登山道はそれぐらい人が入っていないのだ。

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どこに行けばいいの?と思ってしまうような道が続く。

スタートからアドレナリンが全開になる山も初めてである。

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510さんもよくこの道についてきたもんだ。女子は嫌がるだろうなこの道は・・・

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絡みつくような木々が我々を迷いの森に誘うようで不気味だった。

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藪を漕いで漕いで漕ぎまくった先に分岐が現れる。

右のルートが避難道っていうのもこのルートがいかに困難なのかを物語っている。

我々はもちろん左へ進みヌクビ沢コースを目指します。

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難所その1 足場が木の幹のトラバース。木の幹はそこそこの太さがあり足場代わりになるものの幹と幹の間はもちろん間隔があいているので足を踏み外したら谷底にまっさかさまに落ちてDESIREしてしまうでしょう。

ここは、なかなかに神経を使う場面であった。危険度★★★

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そんな難所を越えると間髪入れずにやってくる藪漕ぎ。

勇者ツカトンが、先陣をきって突破する。朝露もすごいのでびしょ濡れになるオマケももれなくついてくるというね。

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藪を抜けると目の前に沢が出てきた。確認すると地図上では割引沢(われめきさわ)と呼ばれている場所だと思われる。

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もちろん沢なので水量によって難易度は大きく変化するのだろうが、上手く水没してない岩を飛んで渡っていく。

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道が整備されている訳でもないのでここは赤いマーキングが頼りです。事前情報だとそのマーキングされた岩もいくつか流されてしまっているとのことだったので道迷いにならぬよう慎重に進む。

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嫌な方向を向いている矢印、ええ漕ぎますとも漕がせていただきますよツカトンが!!

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濡れている岩は予想以上にツルツルと滑るので神経を使います。

落ちたら溺れはしないもののテンションが下がりまくるのは間違いないでしょう。

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難所その2 狭い岩場を沢に落ちないように抜けていく。 赤いマーキングの脇を岩づたいに沢に落ちないよう進んで行く。ロープがあるのでしっかり掴んで進みましょう。

危険度★★

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沢の水は透明度も高く綺麗。だが落ちたいか?と問われるとそれは別の話である。

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このようにしっかりとロープを使いつつ行けば問題無し。1人渡り切ったら次の1人を呼ぶ形でここは突破できました。

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難所を突破しても、休む暇なく今度は沢の横を高巻いて行きます。

この高巻きもうんざりするくらいこの後やってきます。

地味に高度感があり、足場も不安定・・・というか草が生い茂っててよく見えないという。

常に危険と隣り合わせの登山道である。

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足を置ける面積がイマイチ少ない時はもうその辺の雑草を掴みます。

こんな頼りない草が命綱とは、、、だがそんなことは言ってられない。

藁にもすがる思いで雑草をしっかりと握る。

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このように沢をそのまま登れない場所は基本的に高巻きとなります。

この辺が吹上の滝と呼ばれる場所のはず。確かに滝壺っぽいものはある。

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このくらいの背丈の草だともう気にならなくなってきたりする。

慣れって本当にこわいですね・・・

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振り返ると雲の中に見えるピラミッド型のかっこいい山が!!

気になったので調べてみると上越マッターホルンこと大源太山であった。

噂には聞いていたがとても登山意欲をそそる山体をしていますね。

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藪漕ぎと鎖場というコラボを楽しめるのもヌクビ沢コースならではかもしれません。

登ってる我々からしたら「冗談じゃねーよ!」な話である。

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ただ地獄のような光景がずっと続くというわけでもない。

前方に広がる秘境のような景色、右上にひょっこりと顔を出しているのは天狗岩でしょう。インパクト抜群ですね。

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なめらかな質感の岩を伝い流れる優しい沢水がこの過酷な登山道とはまるで正反対でありこの不思議な空間を作り出していた。

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巨大な妖怪がこちらを睨みつけるかのように見える天狗岩。

「ここはお前たちが来る所では無い、引き返せ!」と言ってるようでした。

とは言ってもこのルート下山禁止なんで入ったら最後登り切るしか無いんだよね〜。

そう、我々は既に退路を断たれているのであった。

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難所その3 ロープを補助に岩場を高巻いていく。この岩場、常に水が流れており岩に付着した苔が非常によく滑るので転倒注意である。危険度★★★

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その時事件は起きた!!

ふと振り返るとツカトンが転倒し滑り落ちてきました。危ないと言ってるそばから転けるとはね・・・。

ツカトンはその重い体をなかなか持ち上げられずロープに掴まったままもがいていた。

まるで吊るされた豚がもがいているように、、、まぁ怪我がなくてよかった。

しかしこの時ツカトンの心は折れてしまいその後完全に戻ることはなかった。

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sea-nov氏もここは慎重に進みます。とにかく足元が滑る滑る。

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足を置く位置を選ばないと途端に滑り落ちるので、ここを突破するのには皆時間をかけていた。

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ツカトンはさっきまでの勢いは完全に無くなり、全く喋らなくなってしまった。

車中でしゅーこーさんとラップバトルしていた人はどこへやら、まるで別人のようだ。

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再び沢沿いを高巻く道が続く。

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難所その4 なんか岩と岩の溝があるけどそれを越えて向こう側へ行く道。

決まったルートがあるわけでもなく奥に見える赤いマーキングを目指して渡りやすそうな所をチョイスして進む。渡りやすそうな所なんて無かったけど笑。危険度★★

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もうね、水に濡れるのが嫌とかそういう次元じゃないのよ。沢が流れる岩の隙間に膝つっこんで登るsea-nov氏を見ていただければ分かるでしょう。

岩場が苦手な人はここでかなりてこずっていました。

f:id:kitasennju_yamabu:20170117233607j:plain見上げると平穏無事な夏空が広がっている。そんな静寂の世界には声をかけ合う我々の声だけが響いていた。

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難所その5 沢の流れる幅の狭い岩場をトラバース。ロープなどは無いので、濡れるの覚悟で岩にしがみつきながらカニ歩き、沢登りなんだから当然といえば当然なんですがね。危険度★★

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もちろん苔で滑るので、足が踏ん張れる場所を探りながら進む。この辺りは私が進めるルートを探して先に渡って後から皆を通過させつつ進む。

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沢の脇の岩場に垂れ下がる頼りないロープ。しつこいようだが、あるだけマシなのである。

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アイガメノ滝の脇を高巻いていきます。誰かがつけた頼りないロープを補助に取り付いていきます。ここもスリップに十分注意しつつ進んで行く。

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アイガメノ滝は豪快に飛沫をあげて滝壺に流れ込んでいた。

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樹林に入りアイガメの滝の上部へと回り込んでいく。

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見えてきたアイガメの滝の上部。改めてすごいコースを歩いていると思う。

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アイガメノ滝の上部はこんな感じ。ここから下へと流れていく。

とてもきれいな水、飲み水が尽きたらこれを飲むしかないですね。

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先ほどよりコース上の水量も多くなり勢いを増す、より落ちないように慎重に進む必要がありますね。絶賛ハイメンタルブレイク中のツカトンは「はぁはぁはぁ」と肩で息をしてかなりバテバテになっていた。

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難所その6 ロープをつたいながら岸壁を進む&ジャンプしないと渡れない岩。

滑らずに進めそうな道はジャンプして渡らないと届かない岩場というね、、、

もちろん落ちたらずぶ濡れは必至。危険度★★★

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まずはsea-nov氏、お手本のようなジャンプですね。リーダーの威厳を保ちました。

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紅一点の510さんもその優れた身体能力で見事な跳躍をみせていた。

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しゅーこーさんも、、、、着地済。ちなみにしゅーこーさんは「メンバー最年少」という若さの力で岩場での動きも軽快だった。

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増水時に流された木がいたるところに転がっている。我々はさらに上流を目指して進む。

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まだまだ天狗岩は遠くから我々を見下ろしている。

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難所その7 個人的にこのコースの核心部でした。自分の体の幅もない岸壁の高巻きで鎖・ロープは一切なし、命綱は雑草、全力で山側に生えている雑草をつかめるだけつかむ。アザミが咲いているのだがトゲトゲが牙を剥く、落ちたら大怪我するであろう気のぬけない道。危険度★★★★

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まず、ツカトンを渡らせて他のメンバーが渡る。みんなが無事に渡り終えるまで気が気じゃなかったな・・・。

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待ってろよ天狗岩。このコース必ず突破してやるからな!!

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8:33 ヌクビ沢と割引沢の分岐点に到着です。スタートから時間にして3時間かかっています。地図上のコースタイムは1時間半でかなりペースが遅れていることがわかる。

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大粒の岩を全身を使って登るため体力をかなり使う。足元も滑りやすかったり、その他緊張感のある難所も多いため、精神力も削ってくる。

ダブルパンチがボディブローのように効いてくる。

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写真には写ってないが、足元に生えているアザミがタイツの人間には脅威であった。

トゲトゲが刺さる刺さる、、、

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下山?ルートみたいですが、昔の名残なのかそれともこの地点では下山可能なのか?

よくわかりませんが、まだまだこんなところでギブアップはありえません。

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そして遂に辿り着いた布干岩

大判の布をまさに広げたかのようになめらかな一枚岩がそこにはあった。

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このコースを選んだ理由はこの布干岩をこの目で見たかったからである。

苦難の道のりを越えた先に広がる布干岩の姿は想像以上に美しく力強いものだった。

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しかし力強さとは裏腹に優しい岩肌の上をサラサラと緩やかに沢水が流れている。

なんなんだこれは?この不思議な世界に一同は茫然とただ立ち尽くしていた。

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布干岩にさっそくとりつきます。そこそこの斜度があるのですが、滑ることもなくとても歩きやすい。なんだこの楽しい岩場は!

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岩の上を静かに流れる沢水。

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このなだらかな岩肌は休憩するにはもってこいな場所であったりもする。

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緊張感の連続だった登山道の唯一天国と呼べるようなひと時に我々は救われたのは間違いないでしょう。

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しかしここでずっと休んでいる訳には行きません。ここに居続けるとこのように全員が床ぺろしてしまうでしょう。

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さあ、第2ラウンド開始です。布干岩を一気に駆け上がっていきます。

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途轍もなく巨大な岩の上を歩く一行。布干岩が我々にパワーをくれたので足取りも軽くなっていた。

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その口を溶接されたと思うくらい喋らなかったツカトンも元気を取り戻して再びラップをするまで回復していた。

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上から布干岩を眺めるとその大きさがよくわかります。

ありがとう布干岩!また来るよとは言えないが楽しかった!!

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さぁ、再び登山道はゴロゴロと岩が転がる荒々しい登山道へと戻りました。

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こんな寝そべることができる大きさの岩もあったりします。

ひとつひとつの岩が大きいので乗り越えるのにかなりの体力を削られていく。

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沢が左右に分かれている、右に緩やかに登れそうな道があるので勘違いしそうになるがよく見るとマーキングが左の方向へ。

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危ない危ない、どう見ても左の沢の方が登りやすそうなもんで、、、

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で左へ行くと目の前に絶壁と見事な滝が・・・。

あれ?行き止まり??

ま、まさかこの絶壁を登るのかい、、、?

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その通りでございます。

難所その8 豪快に流れる滝の横にある絶壁を豪快に登っていく。危険度★★★★

高度感は半端じゃないッ!正直、高所恐怖症の510さんがここで詰むかと思ったほど。

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なるべく下を見ないように登っていく。と言いたいところだが、見てしまうのが私である。転落したらとか考えるのはやめよう。

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先陣を切る私にホイホイとついてこれたのはしゅーこーさんぐらいであった。

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510さんも大したもんだ、男性陣に負けず劣らずのスタミナと運動神経で必死にくらいついている。

ここで単独行の男性と出会う、あっという間に我々を抜いていったかなりの健脚だわ。

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滝越えをするともう何度目になるであろうか、、、高巻きの始まりである。

f:id:kitasennju_yamabu:20170123235841j:plain帰ってきた勇者ツカトンが先陣切って藪漕ぎを開始する!

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またも無理難題をふっかけてくる登山道であったが、二度も同じ轍は踏まねえ!!と慎重にとりつくツカトン。

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アザミ軍団の中に咲くニッコウキスゲ。前回の花を愛でる登山とはえらくかけ離れた内容でお送りしてます。

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この花は??これだけはよくわからなかったなぁ。

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ここで藪の中でルートを見失う。どうやら獣道をひたすら登ってしまったようだ。

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かなりの斜面を登っていくと行き止まりになっており来た道を戻り、あたりをよく見回すと岩にマーキングを発見。場の空気が凍りついたがホッと一安心の一同。

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紫色が鮮やかなミヤマトリカブトが咲いています。

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雨宿りも出来そうな巨岩の脇を通過する。沢コースなので雨宿りなんてしてたら増水した沢に流されてあの世行きでしょうけど。

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難所その9 沢へとロープで降りる、足元の岩と沢との高低差がありちょっと降りづらい。私はここで滑ってケツを打ちました。い、痛い・・・・。危険度★★

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 難所続きでメンバーのスタミナはかなり消耗されていた。

先ほどの道迷いで再びツカトンの心が折れて喋らない人へとこの時には変貌していた。

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sea-nov氏も510さんも飲み水が底をつき沢水を汲んで飲んでいた。

なんか噂によると煮沸が必要とかいう話も・・・大丈夫か??

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再び山頂を目指して歩き出す。

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振り返るとまさかの天狗岩、、、いつのまにか天狗岩を見下ろすところまで登ってきていた。

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ここで稜線らしきものが先に見えてきた。

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沢筋も一気に狭くなる。ようやくこの苦難の道に終止符を打つ時がきたのか?

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というのは大きな勘違いで見えていたのはニセ稜線であった。

沢に転がる岩もさらに巨大化し消耗しきった我々にさらなる追い打ちをかける!!

これにはツカトンも折れた心に大追撃を受けてしまう。

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ツカトンの疲弊具合が少し心配だった為、リーダーのsea-nov氏に二人は任せ先に行ってもらうことにする。ツカトンは私が一緒について歩くことにしたのだ。

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ツカトンはこのまま皆と歩くと、足を引っ張ってはいけないと無理にペースを上げてしまうだろう。3人を先に行かすことでツカトンのペースで歩ける状況を作り出す事が私の考えた最善策であった。

「俺の事は気にしないでいいからお前のペースで歩け、疲れたら好きなタイミングで休め。がんばれ!!もう少しで稜線へ出れるはず」ツカトンを鼓舞して私は後ろを歩く。

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藪を漕ぎ巨岩の間をゆっくりではあるが、確実に進んで行くツカトン。

「奥さんや子供が家で待ってるんだろ?必ず帰るぞ!お前の父ちゃんかっこよかったぞやりぬいたんだぞ!!って俺が言ってやる」と後でツカトンと思い返すと笑ってしまうがスポ根ドラマのようなやりとりがそこでは行われていたのを今でも昨日のように思い出す。

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「はぁはぁはぁ」と息も絶え絶えなツカトン。

後日談だが、リアルにヘリコプターで運んでもらおうかと思っていたらしい。

させねーよ!絶対にこのメンバーで無事に下山するんだよ。

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心なしか沢の水も細く弱々しくなってきた。

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正面には左を示す赤いマーキングが、、、

これにはツカトンたまらず「これ曲がってまた岩ゴロゴロだったらもう無理っすわぁ」と嘆いていた。

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曲がった先は「・・・・・マジか」と思ったがよく見てみると、、、

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沢はここで行き止まり、矢印が上を向いている。ついに稜線へのとりつきがここから始まるのである。そう垂直の岩壁登りが。

 「うそだろ?」ツカトン絶句しつつも岩の壁を登り始める。

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登っている途中であたりを見回すと結構な高度感だ。

先に行ったsea-nov氏達は稜線から手を振っていたので無事にたどり着いたみたいだ。

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もはや気力で進むツカトン。なんだかんだ言って根性あるじゃないか。

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そういやかなり雲が上がってきています。青空の割合がかなり少なくなってきた。

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ここにきてまた藪漕ぎですかい、、、

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そしてザレた斜面が目の前に現れる。ここ非常に危ないです・・・実は右に這松帯があるんですが、皆さんそこを通っているみたいです。

ツカトンを這松帯に転がし突破しました。

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ハクサンオミナエシは黄色い小さい花をたくさん咲かせていた。主に日本海側でよく見かける花だそうです。

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イワギボウシは擬宝珠と呼ばれる古い木造の橋の欄干に見られる先端部分にその形状が似ていることからそう呼ばれているらしい。

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もう目の前に稜線が、、、偽物に騙されてきましたがこれは本物である。

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先行したsea-nov氏達から遅れる事約30分、遂にその時がきました。

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13:53 ヌクビ沢コースの終点である稜線上に到着である。

実に歩き始めてから8時間20分が経過していた。正直な話、当初の予定下山時刻は13時半であったがまさかのこの時間より遅い稜線への到着であった。

まだ山頂にすら辿り着いていないのだ・・・。

ここにいる全員が同じ事を思ったのだが、山頂に着いた時よりこの稜線に着いた時の方が喜びが数倍、いや数十倍は上であった。

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ヌクビ沢コースは下山禁止ですよの看板。するわけねーだろ!!

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安心したらお腹が空いたので稜線眺めながら蒸しパンを楽しむ。

一方ツカトンは稜線に顔を出した姿が終戦を知らされていない日本兵のようだったのでsea-nov氏が「戦争は終わりましたよ〜」のボケをかましたが、ツカトンは完全にスルーしていました。

倒れこむように休憩をするツカトン、本当によくがんばったよ。

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これで終わりじゃないのが今回の登山です。ご褒美と言わんばかりの稜線歩きを楽しみながら巻機山の山頂を目指します。

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ここにもニッコウキスゲが咲いていました。みんなもやっと花を愛でる余裕が出てきたようだ。

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もう少ししたらここも花畑のようになるんだろうか?

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振り返るとゆっくり歩く510さんとツカトンが、そしてその後ろに割引岳がドンと構えている。ヌクビ沢コースの終点からすぐだから普通は行くんでしょうが、全員疲労困憊だった為、完全スルーモードでしたねこの時は、、、

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人里離れたジャングルのようなところを彷徨っていたので下界に町が見えた時はなんか懐かしさを感じてしまうほどであった。

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巻機山すっごいいい所ですね!さっきまでの道はなんだったんだ、、、

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オタカラコウかな?よくわからんがたくさん咲いてました。

高山植物の宝庫なんですねこの山も。

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どこが巻機山の山頂なんだ??少しだけこんもりしている部分だと思うのだが。

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とても中途半端な所にある巻機山の山頂標識、しかしここは真の山頂ではない。

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まあ真の山頂も中途半端なところにあるんだが、ケルンが積まれた所が山頂らしい。

集合写真にしかケルンが写ってなかったので最後に載せるとして、、、

14:41 我々は遂に巻機山の山頂に到着したのだった。

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山頂にてのんびりしているわけにもいかないので、速攻で下山開始です。

山頂付近はこのように池塘もあったりして湿原のようになっていました。

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墓標のように先ほどの山頂標識が建っている。

こんな所で返事がないただの屍のようになってたまるもんか!!

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これは一雨きそうじゃないか、、、一難去ってまた一難とはまさにこのことである。

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ガスがものすごい勢いで稜線を覆っていく、辺りが一気に暗くなっていく。

一般登山道に出たものの再び不安な気持ちに駆られていく。

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木道、池塘ニッコウキスゲ、ガスで幻想的になった登山道を足早に進む一行。

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ワタスゲ?ぽいものが咲いていた。もふもふしていますね。

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避難小屋まで下りてきました。小屋には男性が一人泊まっており、我々はここで15分だけ仮眠をとりました。結局今回の登山で出会った人はこの男性と滝の所で会った単独行の男性一人でした。(この方はヤマレコあげてました)

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小屋の前に水場の標識があり飲み水を補充をしたいのですが、この水場が地味に遠いということでスルー。

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黙々と進む一行。

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みんながっかり騙されたでお馴染みのニセ巻機山をまずは越えていく。

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ヌクビ沢とは一体、、、と思わずにはいられない手入れの行き届いた登山道。

今一度登山道を整備していただいている方々に感謝したい。ありがとうございます!

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6合目まで下りてきた。ツカトンあと少しだぞ!!

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ハート形の木を発見!こういうの見つけると少し元気が出たりしますね。

ツカトンはこの登山を経て自分の無力さを痛感したらしく、これからは人に優しく接していくと頭を丸めて出家しそうな言動になっていた。過酷な登山はここまで人を変えてしまうのか・・・。

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ふと開けた場所の方を見ると我々が登ってきたヌクビ沢コースが見えた。

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こんな斜面と岩場を進んできたのか、、、とんでもないコースだな!

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510さんが「5合目の標識を見た」と言っていたので地図を確認すると5合目から駐車場まではコースタイム約1時間となっていた。これには一同歓声をあげる。

そこから30分ほど歩くとsea-nov氏がなにやら叫んでいる。

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510さん、、、お前の脳はポンコツか!

まさかの5合目が登場、これに一番激怒したのはツカトンだった。

「ふざけんなよ!!」とあんなに怒ったツカトンを初めて見ました。

まぁ気持ちは分かるのだが、「逆にここから1時間で下山できるんだしがんばろう」とsea-nov氏が珍しくリーダーっぽいことを言っていた。

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無惨に破壊された4合目を通過する。

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sea-nov氏がらしくないことを言ったせいかは知らないが、ここで雨が降る。

しかも激しい夕立ときたもんだ。余力も少ない我々には手痛い追い打ちであった。

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壊れた標識、これは一体何合目?

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と思っていたらキター!!!登山口がComing Soonである。

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暮れ行く空の下、長きにわたる巻機山登山が終わりを迎えようとしていた。

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 18:42 駐車場に到着、巻機山ヌクビ沢コース下山完了である。

出発から約13時間という長丁場になってしまったが、無事に全員が下山することができました。

リアルな話ツカトンは仲間とこの登山を乗り切った喜びで泣いていました。

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この過酷な難ルートにタイツもボロボロになってしまった。これで済んだだけマシだわな〜。

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登山口から車を走らせコンビニへ。ここで祝杯をあげてようやく現実世界に戻ってきた感じがしたなぁ。もちろん炭酸が最高に体に沁みたのは言うまでもない。

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今日の風呂は気持ちいいに違いないということでやってきました石打ユングパルナス。

どんなにハードな登山で時間が押していても風呂に入らないというのはありえません。

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 料金は900円とやや高めだが、露天風呂もあり疲れを癒すことができたので満足である。

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最後にラーメン食べて満身創痍のツカトンを家まで送ってレンタカーを返すのですが、皆さん終電がないので、私一人を一度自宅で降ろし私は車で北千住へ、レンタカーを返したsea-nov氏達と合流し全員を自宅まで送迎しました。

全員を送り終えた帰り道には太陽が東の空から昇っていました。

これが0泊3日の登山の旅の全貌であった。

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◎まとめ◎

巻機山は井戸尾根コースをピストンすれば何の変哲もない安全な登山を楽しむことができ沢山の高山植物と美しい稜線を楽しめる素晴らしい山でした。

ヌクビ沢コースは我々の想像よりぶっとんだコースであったのは間違いないでしょう。

自分の体の幅より狭い斜面のトラバース、欲しい所に無い鎖やロープ、命綱は雑草、足場の悪い高巻き、道迷いを起こしやすい藪漕ぎと大冒険の匂いがプンプンするようなアドレナリン全開必至の登山道だった。

しかし布干岩の眺望は圧巻の一言で、自然が創り出した芸術といえる美しい流線型の岩肌を伝う沢水。この景色を見る為に危険な道を進む価値はあったと個人的には思えます。

後日談ですが、巻機山登山後にsea-nov氏はしばらく調子が悪く病院に行った所、医者から過労と診断されたそうです。ついでに中性脂肪で注意されるというオマケ付きというね笑

何はともあれ、この激闘を制したメンバーとの結束がより強くなった気がした夏の1日であった。

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ヌクビ沢コースで行く巻機山登山  おしまい