【笠ヶ岳登山】笠新道〜クリヤ谷 北アの秀峰へ挑む、北千住山部の遅い夏合宿 〜前編〜
ごきげんいかがですか〜?やけんです。
2017年9月30日から1泊2日で笠ヶ岳に登山してきました。
北アルプス1週間縦走の旅で双六岳から見た笠ヶ岳のインパクトにいつか登ってみたいと憧れつつもそのドMも狂喜乱舞すると名高い笠新道に怖気付いて手を出していませんでした。
しかし遂に北千住山部リーダーであるsea-nov氏から「そろそろ北アにヒーヒー言わされに行こうぜ」との通達が!!
「刺激の無い日常に飽き飽きしてたとこだぜッ!!」
そしてこの登山にやつらが帰ってくる、、、
笠ヶ岳は北アルプスの南部にある山で編笠をかぶせたかのようなシルエットが特徴的である。
標高は2898mで岐阜県の最高峰かつ日本百名山を冠する名峰で修験僧である円空が1683年に登頂、開山したと言われている。
そんな昔は登山靴も登山道もなかっただろうに、命がけの登山だったんだろうな。
2017年9月29日20:40 命を賭ける覚悟の無い4人がホームグラウンドである北千住駅前に集う。
今回のメンバーは私の登山で初陣を飾った塔ノ岳登山をした時のメンバーでありその後も三斗小屋温泉〜那須岳登山や五竜岳登山などまだこのブログを立ち上げる前の登山を共に挑んだ盟友達である。
まさに原点回帰の旅に登場するドM4人を紹介しよう。
もう耳タコなくらいお馴染みですが、北千住山部のリーダーであるsea-nov氏である。
彼は野球に全く興味が無い、寧ろサッカーが好きときたもんだ。
どんな過酷な状況下もウイイレ(サッカーゲーム)を持って行く事で知られている。
家にいる時はは登山地図を眺めるのとウイイレの選手のステータスをチェックするのに大半の時間を費やしているそうです。
変態ですね。
ジャムロー!!!と叫ばれ続けて幾星霜。
北千住山部の中で一番山男に見えるのはこの男でしょう。
最近ブログにはめっきり姿を見せていませんでしたが「あいるびーばっく」と帰って来ました。
一夫多妻制を提唱する彼は世の女達と遊ぶのに忙しかったようですね。
変態ですね。
こぼちゃんはブログ自体は初登場だが、その絶対的な笑いの安定感から皆から愛される男で登山に連れて行くと楽しさ倍増が確約されている。
なで肩・ハト胸・ちょいハゲな所も彼の良い所である。
彼の今年の抱負は毎年同じ項目で未だに達成されていないが、この公の場ではとても語れる内容では無い。
要するに変態ですね。
最後に私やけんであります。
最近の行ってみたい場所はハニべ巌窟院です。
説明不要の変態ですね。
諏訪湖サービスエリアにある恋人の聖地にて恋人ごっこを楽しんでから目的地を目指します。
名物トンネルの釜トンネルはもちろん閉まっています。
無料駐車場の入り口が分からず行きすぎた、、、
地図のP5と表記されている無料駐車場を利用する予定でしたが、満車でした、、、
仕方なくP8の鍋平の無料駐車場に駐車しました。
新穂高センターまで徒歩30分と体力勝負の登山に挑む我々には手痛い誤算となってしまった。
しかしおっさん4人で傷の舐め合いをしていても地獄絵図しか撮れませんので準備をして出発です。
それでは1日目のコースタイムを紹介していきましょう。
青い線が本日歩いた道のりになってます。2日目の赤い線は後編で紹介します。
3:33鍋平無料駐車場→4:20新穂高センター→5:35笠新道入口→7:34 1700m地点→9:38 2100m地点→12:06杓子平→14:54笠新道分岐→15:44抜戸岩→16:16笠ヶ岳山荘テント場
行動時間12時間43分 (休憩時間1時間含む)
ひっでえタイムだぜ、、、弁解の余地はありません。
新穂高センターまでの道は細くぬかるんでおり、楽な移動ではなかった。
普通に疲れました、、、
新穂高センターに到着、ここからが本当のスタートである。
こぼちゃんのヘッドライトのバンドの形状が悪意あります。
何故にT型なんだよ、、、まるでパンツ被ってるみたいで全員完全に腹筋破壊されました。
おおお!懐かしい!久しぶりにここに来ました!!
初めて訪れた時の記事↓↓↓
kitasennju-yamabu.hatenablog.com
写真では明るいけど、実際は真っ暗でお馴染みの明け方の登山道を進む進む。
ここで私はスーパーな眠気に襲われてふらふらとゾンビウォークしていました。
異常なまでの眠気に一抹の不安を覚えました。こんなんで体力勝負の山を越えれるのだろうか、、、
歩く事約30分、あの水場は!!!
笠新道の入り口に到着しました。ここで水を汲むことができるので各自調理水や飲み水を確保しました。
よっしゃ!準備OK!!いざ、笠新道へ!!!
とその時事件が起きました。
やけん「こぼちゃんのザックから水が漏れてるんだけど、、、」
sea-nov「ザックの底からめっちゃ水漏れてるじゃん、、、」
こぼちゃんの持ってきた安物の調理水を入れる容器がただのゴミと化した瞬間であった。
序盤から不穏な空気が漂う。
気を取り直してスタート。岩が多めの歩きづらい登山道がさっそく我々を歓迎してくれます。
現在の標高は1450mと最初の目標地点である杓子平(しゃくしだいら)までは1000m以上登らなければなりません。
狭く急峻な登山道を進む一行。
オタカラコウかなマルバダケブキっていうでかい花があるんだけど同じメタカラコウ属に分類されてるんだな、、、確かに似ている。
歩きづらい箇所には足場が渡されていたりもします。
途中に開けている場所があり、焼岳がどどんと正面に見ることができた。
焼岳の記事はこちらから↓↓↓
kitasennju-yamabu.hatenablog.com
山の稜線上に見える人工物は穂高のロープウェイだと思われる。
笠新道おそるべし、、、地図を見ると等高線の間隔とルートのギザギザ具合が半端じゃないのも納得。
と言ってもまだ標高は1700m地点で、地図を見る限りはギザギザが激しくなるのは2000m地点あたりからですね。
この時点ではまだ序の口ということですか、、、結構疲れてんですけど。
久しぶりのテント泊という事もあり荷物が重い、、、自然と足取りも重い、、、
そして何より太った自分の体重も重いという三重奏、、、
巨岩の脇を進む。
笠新道を歩いて思った事だが、こんなに岩が多い登山道が続くとは思いもしなかった。
岩山なの?笠ヶ岳って??そんなふうに見えなかったんだが。
わずかだが紅葉した木々と青空が気持ちいい。
標高が上がってきた為、焼岳の後ろに乗鞍岳を望む事が出来ました。
緩やかな中に一箇所飛び出ている部分が剣ヶ峰ですね。
前回の乗鞍岳登山から随分と山登ってなかったんだな、、、
見上げるとそびえる笠ヶ岳、、、では無い!!
あそこまで上がればやっと杓子平に出れるんじゃ無いのかなぁ。
ホソバノヤマハハコ、そういやあまり高山植物を見なかったかな、、、というよりは時期が遅いのと疲れてて見ていないのが原因だろうけど。
登山道が土砂崩れの影響で崩壊していますが、ここは正面の岩を右に回りこんで進みます。
槍ヶ岳キター!!!圧倒的存在感の槍ヶ岳に全員モチベーションを回復させます。
見えるのは何も槍ヶ岳だけではない、穂高連峰もばっちりと見えます。
スリリングな岩場が多い穂高連峰に行きたくて仕方がない今日この頃。
亀のように進むのが遅い我々は後方からやってくるベテランウサギ系登山者にガンガン抜かれていきます。
標高2100mという事は、地図のギザギザエリアに入っている。
槍・穂高の眺めが一望できます、とありますがバテバテで槍・穂高を楽しみながら登れたのは最初の30分くらいでした、、、
紅葉と青空の美しい景色を美しくないおっさん達が死んだ魚のような目で通過していきます。
絶景!!に目もくれず黙々と進むsea-nov氏。
そう、この厳しい道のりに余裕など一切ないのである。
やっと遥か先にあった稜線が見えてきました。あの先に杓子平があるはず!!
このしんどい登山道によってジャムロとこぼちゃんの心は折れかかっていた。
後にジャムロは語る、、、「正直、杓子平に着いた時にこのまま下山したいと思った」
槍ヶ岳も頑張れと応援しているような気がしている。
まだ杓子平にも到着していないんだぜ、、、
杓子平までのコースタイムは4時間30分らしいけどすでに7時間弱経過してるんだぜ、、
誤算はもう一つあった。
こぼちゃんの岩場への適応能力が以前の登山とは比べものにならないくらいに低下していた事だ。
我々が単に遅いだけなのもあるが、こぼちゃんのヘタレ具合がコースタイムの大幅な遅れの大きな要因であった。
水もがぶ飲みしていた為、sea-nov氏と私のペットボトルを1本ずつ分けてあげた。
ってケツでとるやん。
足取りが重いのはジャムロも同じで、原因はその山男のような体型から重たい荷物を分散した際にどうしても重たい荷物はジャムロに任せてしまっていた為でしょう。
こぼちゃん程ではないがジャムロのメンタルも砕ける寸前であった為、我々は早急に杓子平にて体力の回復と作戦会議を開かなけらばならなくなった。
標高増し増しによって焼岳・乗鞍岳の後方にうっすら見えてきた御嶽山。
満身創痍の一行の前に何かが見える。
12:06 杓子平にようやくたどり着く。
杓子平からの目が覚めるような笠ヶ岳のインパクトに私は大興奮。
しかし、この厳しい修行道に負けた者はこの世の者では無くなってしまうのでしょう。その成れの果てがこちらである↓↓↓
河童の妖怪があらわれました。
どんな体勢で寝てるんだよ、、、
ヘタレという状態異常の付与されたこぼちゃんと「もう下山で良くね」というオーラを発しているジャムロの負担を軽減する為に、テントパーツを回収してsea-nov氏と私が先にテント設営の為に笠ヶ岳山荘を目指す事にします。
十字傷のように山肌に刻まれた山の交差点が見えます。あそこを行くのか、、、
かくいう我々も決して体力が残っているという訳でもなくヒーヒー言いながら進みます。
北アにヒーヒー言わされる、、、これを望んでいたんじゃぁ無いのか?
チングルマも我々同様に真っ白に燃え尽きていた。
パトラッシュ、、僕はもう疲れたよ、、、
と、空に浮かぶ月まで昇天してる暇はありません。
まぁ、確かに天国のような場所ではあるが、、、景色をガソリンに変えてもう少し頑張ろう。
北アルプスに来てるんだなぁと再認識される景色。
急登が続きますが、ゆっくり着実に稜線を目指し歩を進めていきます。
筋骨隆々なマッチョマウンテン笠ヶ岳。
今日は山頂まではアタックせずに翌朝ご来光見ようと決めていたのでゴールは山頂直下にある笠ヶ岳山荘となります。
ここを登り切れば笠ヶ岳への稜線へと出ることができます。
そこまで行けばきっと横歩きの楽しい道が待っているはず、、、
稜線に上がる直前で抜戸岳へとの分かれ道がありましたが、目もくれずに稜線を目指します!
北穂〜西穂方面が胴体、大キレットが首、南岳・中岳を頭部に見立てると超巨大な恐竜の背中に見えるな。
岩場が苦手な方でも安心なくらいマーキングのある登山道。
ここにも綿毛状態のチングルマがたくさんあった。
二人の姿を上から探す、、、
こぼちゃんとジャムロは豆粒みたいになっていたが、着実に進んでいるようなのでこのままテント設営を急ぎます。
ここを登り切れば稜線へと辿り着くんじゃあないのか?
笠ヶ岳へと続く骨太な稜線が素晴らしい!!
この時ばかりは疲れが吹っ飛んだのを覚えている。
久しぶりの再会、写真左から北ノ俣岳・黒部五郎岳・右奥が薬師岳かな。
また会いに行きたいわ〜
稜線に上がってから笠ヶ岳までのコースタイムは1時間10分となってますが、それは体力満タンでここから歩き始めれば可能だろうけど今の我々には不可能なタイムであった。
この登山道も北アルプスのエース級の山々の展望台である事は間違いない。
すでに時間は14時半を超えておりテントも良い場所に張れるか心配になってきた。
正面に見える黒部五郎岳は、私の登山史上ベストに未だ君臨しているのもあり是非再び訪れたい。なんせ悪天候だったのに王者に君臨してますから。
黒部五郎岳の記事です↓↓↓
kitasennju-yamabu.hatenablog.com
地図上で笠新道分岐と記されている場所、、、あれ?稜線にまだ出てなかったの?
よくわからないけどここから山荘まで50分くらいかな〜
あいつらの為に先に行ってテント張ってすぐ休めるようにしといてやらないと、、、
sea-nov氏がテントパーツを持っているという奇跡体験アンビリバボー。
あなたの身に起こるのも明日かもしれません、、、
風がムフーンと呟きたくなるくらい無風なので良かった、、、
ここ暴風とかだったら結構怖いと思う。
って言ってたら少しずつ強くなってくる風、結構寒いんだこれが。
月と奥穂高岳。ギザギザしてるのはジャンダルム。天使の描かれた標識ってまだあるのかな?
近づいてきた本丸、今日はそのお膝元で一休みして大将首を獲りに行く!!
落人になりかけの二人は元気にしているだろうか、、、
名物の抜戸岩が登場、山荘までは残り半分ってところかな。
最後にやってくる上り坂、「へっ、、、膝が笑ってらぁ、、、」
播隆平と呼ばれる平野が笠ヶ岳山荘の手前にありました。
わずかですが池塘も発見!
毎度思うのだが、ストック持ってくるべきだったとキツイ登山の旅に痛感します。
持ってったほうが楽なのに持ってかないこの感じ、このブログ同様何がしたいのかさっぱり分かりません。
絶景なテント場に到着し、先にテントを設営してから山荘に受付をしに行きます。
バイク買ってから免許取りに行くのと同じ感覚ですね、、、
クロノスは本当に減価償却済なくらい使いまくっていると思う。
あ、ジャムロの所持品です。ジャムロ不在でもちょこちょこ出番のあるニクい奴。
影笠ヶ岳がテント場を包み込む。
ボロボロの我々にはこのテント場から山荘までの10分くらいの道のりがかなりこたえる。
テント場にはトイレも無く、山荘まで行かないといけません。
ギリギリまで我慢してトイレで「ほへ〜」する方はお気をつけて、、、
日が陰ると一気に気温が下がり、風も強くなり凍えるほど寒いです。
素手でテントポールが持てないほどで、テント設営中も私は歯をガチガチと震わせていました。
立派な笠ヶ岳山荘、多くの人で賑わっていました。売店にもお菓子や飲み物、ビールなどがあり、我々はバッジをここで購入。行動食を少なめに持ってきたら全部食べちゃったうっかり者の私はお菓子も買いました。
1時間遅れでジャムロとこぼちゃんもやってきて今日の行程は終了。
初日から大変な思いをしてきましたが、まだまだ試練は続くのであった。
そんな想定外からの2日目は次回語るとしましょう。
北千住山部の夏合宿 後編へ続く、、、