おはようございます!やけんです。槍ヶ岳は今日も快晴です。
本日は名残惜しいですが、槍ヶ岳を下山しなければいけません。
要するにただ来た道を下るだけのお話です。
ただ雪渓の下山って結構楽しいんですよ。コースタイム等も載せますのでいかに雪渓の下山が早いかを知ることが出来ると思います。
それではどうぞ!
ご来光を見るためにAM4:00に起きた我々が山小屋の外に出ると目の前には一面の雲海が広がっていた。
「す・・・す・・」
「すっげー寒い!!」
寒さの暴力が尋常じゃない。Tシャツに1枚羽織ってのこのこと出てきた私でしたが、
1分も持たずに小屋に戻って布団にくるまりました。
その後、フリースとダウンを重ね着して最強装備で再び繰り出します。
寒さの問題は無事解決し、やっと展望を楽しめます。
こっちは薬師岳方面、ドライアイスのような雲海が広がっている。
ご来光を見るためにすでに山頂に登っている人が見える。
「今から登ってたら途中でご来光迎えちゃうよね」ということで山荘前で待つことにしました。
山頂直下の雪渓もガッチガチだろうからね~。
いわゆるブルーアワーってやつかな。この時間帯の景色は目まぐるしく変化していくので見ていて飽きない。
雲海によって昨日は目立っていた常念岳も雲の中。
昨日必死で登ってきた槍沢の雪渓もまだ薄暗く、人の気配も無いです。
槍ヶ岳と反対方面を向くとぽっかり浮かぶ乗鞍岳がインパクトがありました。
乗鞍岳を見るとQUEENの『BICYCLE LACE』という曲が頭の中を流れるのは私だけでしょうか?
おっ!!ぼちぼちご来光かな???
天地創造の世界にいるようななんとも言えない神々しさが目の前に広がっている。
登り来る陽が空と雲を紅く染め上げていく。
あれ?これもうご来光してるね。
雲がすっごい微妙な位置に滞留していて見えてなかったようですね。
常念岳が少しだけ顔を出し始めました。この幻想的な光景もあと1時間もすれば消えてしまうんでしょうね。
一応、ご来光と槍ヶ岳を撮れたことにしましょう。
あれだけ広がっていた雲海があらよあらよと消えていっています。
飯の時間もあるしぼちぼち小屋に戻るとします。
本日の朝食もワンプレートにご飯と味噌汁が多分おかわり自由です。(勝手におかわりしてた)
ご飯ももちろんおかわりしましたが、味噌汁に至っては3杯おかわりして味噌汁の容器を空にしてやったぜHAHAHA!
昨日で行動食を使い切ったので、蓄えとかないとね。
飯のあとはお土産を物色します。前日に目ぼしいものはチェックをしていたのでささっと買いました。中でも槍ヶ岳登山証明書なるものがあったので記念に買いました。
たしか200円だったかな。
さて、肩の小屋を出発して下山を開始します。
アイゼンを付けていると、となりにいたおじさんが「ずいぶん渋いの使ってるね。」と言っていました。
師匠の貸してくれたアイゼンしか12本爪で私の靴に装着できそうなものが無かったからね。このアイゼン無かったら、ここまで辿り着けなかったかもだし本当に感謝してます。
「槍ヶ岳さん楽しかったです。また来てもいいッスか?」
槍沢雪渓を下っていく先行パーティがいます。我々もあとに続いて下山開始です。
下山のコースタイムがこちらです。
7:39槍ヶ岳山荘→8:14グリーンバンド→9:39ババ平→10:03槍沢ロッヂ→11:46横尾→13:00徳沢→14:26明神館→15:45上高地バスターミナル
行動時間8時間6分(休憩時間1時間含む)
雪渓の登りと下りでまさかの4時間近い差がでるとは思いませんでした。
槍ヶ岳山荘直下の斜面はかなりの傾斜があるので慎重に・・・ん?
ヒャッハー!!!
ズザザザザザ!
野人シリセードに絶賛ハマり中である。そして思ってたほど滑らない!
ヒップソリ欲しいですね。無いので、お師匠のレジャーシート借りて滑ってました。
そして殺生ヒュッテはまだ半分は埋まっていました。
私も斜面を全力で駆け下りる。
アイゼンってマジですごいですね。斜面をザクザク走って下るの楽しすぎます。
ただし前日のダメージが残っているのでちょっと全力疾走すると息がキレキレになったりします。
振り返るとこれから槍に登ってく人が見える。
もうこんなに下ってきたのか。登るのはあれだけ苦労したのに下りは超特急です。
お師匠もすんごい速度で下っていく!
昨年残雪期の谷川岳に二人で行ったことがあったのだが、その時も下りのスピードが速すぎてすっ転んで滑り落ちてやっと追いつけるレベルだったな。
屏風のような岩が見える。行きにこんなのあったのか?それくらい行きは余裕が無かったということですね。
あれ?もうグリーンバンド??時間にして35分でここまで来てしまいました。
かなり下ってきました。もう常念岳もすっかり隠れてしまいました。
斜面が貝殻の模様のようになってました。行きで目印にしてたな。
もうすぐ大曲分岐が近いなと思っていると、、、
団体さんが登場。そうです今日は土曜日です。
槍ヶ岳山荘は今日は個室借りれないだろうな・・・昨日でよかった。
クレバスを渡るパーティを撮るガイドさんを撮る私。
グリーンバンドで休憩してた時も団体さんが通過してったな。皆さん槍沢ロッヂかババ平でテン泊からのスタートですかね。
大曲を越えてのここからが気を抜けないポイントでもあったりします。
クサレ雪渓のトラバースエリアに到着です。逆から見るとこんなに沢がむき出しになってたのね。というか行きに通った時より雪渓が崩れてしまったのだろうか。
ここが本当に気を抜けません。といってもこうやって踏み跡がしっかりあるので気をつけて歩けばいいだけなのですが、、、
傾斜が結構あったりする。もちろん行き同様滑り落ちるともれなくドボンなのだが。
なんか通り道に枝があるんだけど。こんなのあったっけ??
しかも枝の応酬と来たもんだ。
まさかのリアル風雲たけし城を体験できるとは光栄です。
穂先のハシゴ場より危ないであろう雪渓トラバース地帯を突破すると見えてきました。
ババ平のキャンプ場です。
行きよりテント多くなってました。トイレもあったりと整備されていますね。
次回はテント泊で行くつもりなのでお世話になるかもしれません。
昨日に比べると天気はいいが雲が多いです。稜線を呑み込む雲。
雪渓歩きもこれにてほぼ終了です。
雪の照り返しは強烈で日焼け止め塗ってたんだが腕が真っ赤になってました。完全に長袖忘れた私が悪いのですが。
10:03 ロッヂ槍沢こと槍沢ロッヂに到着です。しつこいですかそうですか。
昨日ここを通過した時にここでカップヌードルを食うと決めていました。
安定の山補正によりうんめええええと世界の中心で愛を叫んだのは言うまでもない。
次のチェックポイントである横尾を目指して歩き始めます。
キンバイ?キンポウゲ?黄色い花が種類ありまくりマクリスティの為、私にはわかりません。便利な高山植物の図鑑的なサイトとかあったらいいな。
槍沢沿いを歩くのは涼しくて気持ちがいい。水がほんと澄んでてきれい。
きれいな水色が透明度の高さをあらわしているが、言うても激流。
優しさの中に厳しさもある槍沢。
ニの俣を越えて一の俣まで戻ってきました。下りは早いが歩いている距離は昨日と変わらんのよね。どうりで疲れるわけだ。
槍見平に到着しました。槍ヶ岳がみえるのはここが最後です。
必ずまた来ます。ありがとう槍ヶ岳。
地面にカエルの卵が落ちてました。これは気持ち悪い。
新緑の季節。葉っぱがプリップリに肥えていました。
見覚えのある小さい滝のある木道を突破すると横尾はもうすぐです。
木に止まる鳩?発見!鳥の鳴き声するのにいつも見つけられないのでバードウォッチングとか向いてないんだろうな。
11:47 横尾に到着しました。
前穂高岳の北尾根が見えますが、結構な雲に侵食されています。
さっき木に止まってたのは山鳩だということが判明!
鳩って・・・俺のさっきの喜びを返せ!!
横尾はあくまで通過点。次の徳沢で昼飯タイムにします。
鳩野郎からの猿野郎。我々がくるまで横になってくつろいでいました。
新村橋分岐の通行止めは解除されていました。良かった、これで徳沢に行ける。
13:00 徳沢に到着。
みちくさ食堂で昼ご飯をいただくことにします。
おしゃれな店内、観光客も増えてきました。帰ってきたんだなと思える瞬間でもあったりする。
待望のカレーを食す。
味ですか?なんでそんなこと聞くんですか?美味いに決まってるじゃないですか!!
気になる方は行ってみるといいですよ。ここは観光地なんで誰でも行けます。
うーむ。徳沢いいとこだな、、、観光だけなら氷壁の宿「徳澤園」に泊まってみたい今日この頃。テン場も芝生が広がっていて快適そうでした。
山鳩ってよく見るとキレイですね。人馴れしてるのかかなり近くまで寄ってきたりします。
残りの道のりなんぞもう散歩のようなもんです。
徳澤でポッキーを購入し、食べ歩きウイニングランという舐めプをこれから堪能してやるッ!
すれ違う人はほとんど観光客です。この時間にこれから登る人などいないからそりゃあ当然なんですが、、、ゴールは近い。
崩落現場はここだったようですね。ガッツリ崩れてますね、、、こわっ!
だらだらとポッキーを食べながら歩く私。
気づけばスヌーピーもテニスをする始末。
上高地バスターミナルまであと3kmの表記が!
明神館もたくさんの観光客であふれていました。
ここで勢いで明神館のバッジを購入しました。買うなら槍沢ロッヂだろ俺。
この1泊2日の旅を振り返りながら1歩1歩進んで行くお師匠とハッシー。
ポッキー食べ歩きながら1歩1歩進んで行く私。
15:39 上高地河童橋までもどって来ました。土曜日ということもあってそこそこ混雑していました。
上高地ってガチガチの登山の格好してる人もいれば、ヒール履いたミニスカートの姉ちゃんとかもいたりして色んな人種が集まる面白いところだなぁと思います。
なんとかやりきりました!!それにしても疲れました。足もかなりパンパンになりました。でも満足感は半端じゃない!!
帰りは沢渡にある梓湖畔の湯へ。露天からの眺めがよくついつい長居をしてしまう良いお風呂でした。休憩スペースもあったりとおすすめです。
料金は720円。
おんせんゆでたまごなるものがここにはあります。(普通の卵を温泉で茹でた物)
ゆでたまごだから普通にうまいです。そしてピントが皿に行く凡ミスです。
帰りにコンビニでチキンを食べるのがマイブームなので寄ったのですが、道路の向かいに謎のオブジェが・・・「サ◯エさんじゃないよね?ヒゲ生えてるし・・」
帰りは諏訪湖SAによりました。もちろん安定の爆睡でしたが、、、
ハッシーいつもありがとうございます。
山菜うどんを食べる。登山ってなんで痩せないのか大体分かってきました。
その後、新宿でお師匠と別れて帰宅の路に着きました。
来年の残雪期は白馬岳に連れて行ってもらえるそうです。今から楽しみだ。
◎まとめ◎
槍ヶ岳は登山をする人々から愛される素晴らしい山でした。その頂に立つことができたのは忘れられない思い出になりました。
雪渓の上をひたすら登ってやっと辿り着いた道のりも下山道となると半分の時間で下ってしまいました。雪渓の上を全力で走るのは最初は怖いのですが慣れてしまえば楽しくて仕方なかったりします。ヒップソリはほんと購入しようと思います。
こんな私でも登れてしまった槍ヶ岳。天を貫く槍の穂先を目指してみてはいかがでしょうか?
2泊3日の行程をおすすめしますけど。
槍ヶ岳残雪期登山 〜おしまい〜