高水三山を歩く。花粉舞い散る罰ゲームのような旅
2016年2月22日に高水三山(たかみずさんざん)をハイキングしてきました。
高水山・岩茸石山・惣岳山からなる高水三山を登る予定ではなく、本来は別の山に行くつもりだったのですが、とある理由で急遽登る山を変更することになりました。
奥多摩エリアの山はお手軽に登れてそこそこな運動にもなり、意外と気持ちの良い展望を楽しめる所が多いと思います。
確かに楽しい山歩きはできたのですが、私はすっかり忘れていました。
自分が花粉症だということを。
そうです。この時期に杉林の中を歩くのは全裸で南極大陸を歩くのと同じです。
しかし、負のオーラを纏ったままで歩いても面白くないので花粉に打ち勝つ為の修行だと自分に暗示をかける。
私の花粉の最大飽和量を超えれば克服できるはずでしょう。
そんな高水三山は私にとっては鼻水散々な山でした。
・・・・・はい。それではどうぞ。
当初、私は同じ奥多摩エリアにある三頭山(みとうさん)を登るべく中央線に揺られ奥多摩駅を目指していました。
途中、青梅で乗り換えがあるのですがそこでボーッとしていたら電車の乗り継ぎに失敗しました。
詰んだわこれ。
この電車に乗れないことは午前中に1本しかない奥多摩湖行きのバスに乗れないことを意味します。
せっかく来たんだし、どこか登れる山は無いものか??
ありました。
山ガールのための山歩きガイドというサイトにも載っている、初心者向けのハイキングコースです。この際山歩きできればなんでも良い!
ということでスタート地点となる軍畑駅(いくさばたえき)にやってきました。
この山は駅から登れるというアクセス面で大変優れている山です。駅員さんはこの時間帯はおらず無人駅でした。
見てください。駅のホームにすでに登山口の表記が。もうすでに登山は始まっていたのです。奥多摩界のスピードスターと呼ばれる日も近いでしょう。
今回のコースタイムをご紹介。
9:00軍畑駅→9:38高源寺→10:48常福院→11:13高水山→11:49岩茸石山→13:26惣岳山→
14:17三の鉄塔→14:30ニの鉄塔→14:39一の鉄塔→15:00御嶽駅
行動時間6時間(うち休憩50分)
改札を出るとすぐに分岐が出現します。ここは左に向かいましょう。
駅から見える山があったのですがなんて山ですかね?
地図など持っていないので親切なこの看板と先ほどの山ガールのサイトの二刀流で今日は攻めていきます。
線路脇を歩いていき踏切を渡ります。
線路があると絶対こういう写真をとりたくなるよねー。
天気も良好です。この時点では花粉の魔の手には全く気付いていません。
写真の左手の木々の黄色い部分とか花粉じゃん。
少し歩くと舗装された道路に出ます。
こまめに標識があるのでそれに従い歩くだけです。
川沿いの住宅街を歩いていきます。このようにお家のすぐそばに看板が立っていたりしてます。
この道路、結構大型トラックがばんばん通過します。気をつけて歩きましょう。
もう3月も近いので梅が咲いていました。これから花の季節がやってくるので登山者は大喜びでしょう。そして虫の季節もやってきますので登山者はげんなりするでしょう。
途中の建物の壁にビ◯チやらプ◯シーなどの中学生と私が好んで使いそうなお下品な英語が刻まれていました。
道端には椿も花をつけていました。
途中に木彫りの像を祀った像がありました。
トラック大通りから道を外れて左に行きます。このあたりの川がとても綺麗で驚きました。
田舎道をのんびり歩きながら先ずは高水山を目指します。
高水山と最高峰である岩茸石山(いわたけいしやま)と惣岳山(そうがくさん)の三つのお山の総称を高水三山といいます。
どの山も700m級の低山ですので、軽い運動にはぴったりの場所ですね。
これ杉だよね?茶色いの全部、花粉じゃね??
なんかムズムズすると思ってたけど原因はこれだ・・・。
しかし引き返すのも癪なので花粉の耐性をつける為の修行だと意味不明な解釈をして進むことにしました。
再びの分岐は右に行きます。先に進むとお寺が出てきたら正解です。
立派なお寺より気になったのはお寺の脇にトイレがありました。
駅でトイレを済まさなかったうっかりさんと頻尿の方はこちらを利用しましょう。
お寺の人に一声かけたほうがいいのかは不明です。
アスファルト+急登の二段攻撃が挨拶代わりのジャブと言わんばかりに飛んできますが、そんなものより花粉のが辛い。くしゃみを連発しながら歩きます。
ここでやっと道が登山道らしくなってきました。
まずは砂防ダムの脇にある階段を登ります。
軍畑駅から登り御嶽駅に下りるルートは高水三山を歩く上で最もポピュラーな道のりです。よって分岐の標識も立派です。
木道もしっかり設置されてあり、かなり歩きやすい登山道である。山ガールも安心して登れますね。
山ガールなんて今のとこ居やしないですがね!
杉の樹林帯を花粉を存分に浴びつつ高度を上げていきます。
浴びるのはビールだけにして欲しいぜ。
高水三山はこのような看板がたびたび出てくるのですが、現在位置の★マークが動かず、周りのエリアが動いてくイマイチ進んでる実感のわかない仕様でした。
杉林。それは山にはびこる凶器である。
このあたりで目がかゆくなってきました。
掻いちゃ駄目だ。掻いちゃ駄目だ。掻いちゃ駄目だ。
高水山まで残り約1kmの分岐がでてきました。
ハイキングコースなだけあって良心的な距離です。
いきなり、六合目と書かれた石があらわれました。
一から五合目を見落としたんですかね。
上を向くとくしゃみが出やすくなると聞いたことがあるので上を向くと降り注ぐ花粉。
もう恐怖でしかありません。
八合目の石も発見!!なんか墓石っぽくてちょっと怖い。
滑り落ちるとなかなかのダメージを負いそうな急斜面の脇を通ると見えてきました。
そう我らの母国!日本の国旗です。
ん?何故にこんなものが山中に?
階段の先に何かが見えます。
階段の手前に立つ石には高水山の文字が彫られている。
え?ここ山頂なの??先に階段があるのに。
階段を登り、ふり返るとやんちゃなお兄さんが好きそうな日本の国旗に早変わり。
というわけで高水山常福院に到着しました。
巨大な剣が3本ありました。
こんなものをぶん回しているのは不動明王とクラウドくらいでしょうか?
か、かわいい・・・。狛犬選手権があったら上位を狙える逸材です。数ある狛犬を見てきましたが、一番犬らしい姿だわ。
今日の登山の安全と花粉に対抗するためにお祈りをして神のご加護を得ます。
物理的に耐え難いので、精神的に耐久値を上げるのが狙いです。
鐘がありました。つ・・つきたい。
横に注意書きがあります。
すごくいい言葉が書いてありますね。そうですよね。静かな自然と一日を大切にしたいですよね。
ご〜〜〜ん!
そうです。私がどうしてもつきたい方です。
ご丁寧にここにも地図がありました。
社の裏手に回ります。
意外にもこの辺りには結構な雪が残っていました。日陰だしね。
昔は鮮やかな塗装がされていたのでしょう。それが感じ取れます。
どんな感じだったのか当時の姿を見てみたいもんです。
裏手にはトイレもあります。かなり親切な山だと思います。これは山ガールも安心ですね。さすが山ガール入門編の山だわ。
「・・・山ガールに未だ出会わないんだが」
稜線ぽい所に出ました。どうやら高水山の山頂はこの先にあるようです。
持ち帰ると蛙を絡めるとは。オヤジギャグのレベルも入門編だなこの山は。
高水山に到着しました。駅から山頂まで2時間程の道のりでした。
高水山は噂通りの展望はイマイチな山です。(若干見えるけど)
あくまで通過ポイントですね。先へ進みましょう。
所々、倒木があったりしました。甲武信岳ほどじゃないけど。
タラコくちびるみたいなキノコが生えていました。
地味にロープが張られた急坂を下って行きます。登り返し確定のパターンですね。
思ってたより平坦な道が続くのでサクサク歩ける。
上を向くと。ダメだ・・・。ティッシュをたまたま大量に持ってたのは不幸中の幸いでした。
展望が開けました。東京とは思えない景色が広がっています。
花粉のダメージが深刻ですが、これは気持ちの良い光景である。
うっすらと街が見えます。青梅市街とかですかね。
相変わらず地理感がないですね。
岩茸石山の山頂直下はこのような岩がゴロゴロした急登になっています。
こんな大きな岩の脇を通過します。最近アスレチック系の山へ行ってないので、今年はたくさん登りたいな。
こういう光景を見るともう山頂が近いなと思ってしまう。
予想通りの山頂到着です。この岩茸石山が三山のなかで圧倒的に展望がいいです。
この山の名前が覚えられず椎茸山と勘違いしていました。
奥多摩いい!
御岳山へ以前訪れた時にも思いましたが、お手軽に訪れることができてこの展望なら大満足です。
kitasennju-yamabu.hatenablog.com
これだけ見ると低山には見えないくらい山深い感じが出ています。
初心者を連れて行くにもとても適した山ですね。
それでいて振り返ると街が見える。不思議な所ですね奥多摩って。
次のピークである惣岳山を目指したい所ですが、惣菜ぽい名前の山のせいでお腹が空いてしまいお昼ご飯にしようと思います。
ベンチがありましたが、風が思ったより冷たいので奥にある風が避けれるエリアを確保しました。
一度食べてみたかったサッポロ一番のから揚げ風ラーメンを食す。
高校時代の学食でラーメンにから揚げが入っている光景に衝撃を覚えたのを思い出したのだが、インスタント麺で発売されるということは、一般的な仕様なんですかね?
味は確かに、から揚げぽい味がします。個人的には塩ラーメンに軍配が上がりました。
お腹も満たされたので先へ進むことにします。
惣岳山への道はのっけから下ります。
ガレた道を歩く。雨降ってたら滑りそうだから気をつけましょう。
眼下に見える集落は御嶽駅周辺の地域なのかな?
奥多摩だなぁと思える登山道を行く。日の出山への道がこんな感じだったな。
やはり全然進んでいる気がしない現在位置の☆印。
この石の標識も印象的でした。御嶽駅まで4kmとなかなかの距離があります。
途中にフェンスが設置されていました。滑落事故でもあったのですかね?
特に危険な感じはなかったですが。
分岐には御嶽駅へのまき道がありますが、100mで山頂に行けるので惣岳山へ行きましょう。せっかくですから三山制覇してなんぼでしょ。
岩茸石山と同じく山頂直下は急登でした。
木の根が激しく絡み合う岩の道を登っていきます。つまずかないように気をつけて登りましょう。
急登など一瞬の出来事でした。惣岳山に到着です。
簡素な山頂標識がぽつんと立っています。
祠?がありましたが厳重に封印されています。
何か巨大な力が封印されているのでしょうか?
山頂自体は三山の中で最も展望がありません。休憩するにはいいポイントではありますが、先へ進みます。
御嶽駅と百軒茶屋がさっきと逆に書かれています。進行方向が左方向なのでだとは思いますが、紛らわしいです。
この辺りは神域らしく立派な御神木がありました。上の方が2本に分かれている珍しい光景です。
ゆっくりと高度をさげつつ進んでいきます。
鉄塔がありました。よく喋る鳥が注意を促しています。
山にある鉄塔は必ずと言っていいほど真下からこのように撮られるであろうの図。
この人工物が作り出す不思議な模様が好きだったりする。
あきらかにマヌケ面である作業員がやらかしてる看板がありました。
さっきの鳥の方が賢いのは一目瞭然ですね。
関東ふれあいの道も終盤にさしかかっています。
先行者を発見、おじさん4人のパーティでした。
私も生涯を通しての趣味にしたいので歳をとってもみんなでワイワイ登りたいものです。
第二の鉄塔がありました。
先ほどの鉄塔より規模が大きいので素敵なオプションが付いていました。
動いているところを見て見たい。
こういう鉄塔に登って整備している方々は本当にすごい。
目の眩む高さな上にそこで作業までしなければいけないなんてね。
登山道にもぐらの掘った穴がありました。ピコピコハンマーを握りしめて待っていましたが出てきてくれませんでした。100円を入れなかったからでしょうか?
最後の鉄塔が見えました。第三の鉄塔は珍しい光景が見れます。
え?鉄塔の下を通るの??
あまりの衝撃に電気ショックを浴びたのかと勘違いする所でした。
見事に登山道が鉄塔の下を通っています。こういう面白登山道は大歓迎ですね。
民家が見えてきました。花粉地獄からも解放が近い?
竹林の裏山を進んでいくと。
お寺の脇に出てきました。高水三山登山終了です。
無事に下山できました。残りのティッシュの残量もなんとか持ちこたえました。
見覚えのある道が見えてきます。
ゴールである御嶽駅に到着しました。半年ぶりくらいに訪れました。
古い民家のような作りの駅は相変わらずですね。
ホームには小鳥がえさを求めてさまよっていました。
風呂に入るために河辺駅までやってきました。
本日は駅前のビルに入っている梅の湯を利用させていただきました。
私がよく利用する北千住にある梅の湯とは一切関係ないであろう。
風呂上がりにファンタをがぶ飲みして、休憩して帰路につきました。
◎まとめ◎
高水三山はイレギュラーなプランであまり期待せずに登ったのですが、岩茸石山から望む奥多摩の山々は中々の見ごたえです。
危険なルートもなく初心者も安心して登れるコースです。
駅から登って駅に降りれる交通のアクセスも抜群の山なので、日帰りで低山を登ろうという方にはオススメです。
三山を縦走するのがもちろん楽しいですが、途中で駅に降りれるルートが所々あるので、体力に自信のない方もチャレンジしやすいまさに入門編にふさわしい山だなぁと思いました。
ただし花粉症の方は気をつけてください。私は花粉を吸いすぎて耐性が出来るどころか悪化して目が痒すぎて「眼球取りだして洗いてぇ!」と花粉症のやつが1度は言うであろうワードを連呼しています。
皆さんにおかれましては、体質に合った登山をして下さいね。
あ、そうそう。山ガールに一度も会わなかったぞ!!
高水三山登山 おしまい