甲武信岳テント泊の旅。奥秩父縦走路を行く。~後編~
山梨県にある瑞牆山から金峰山・甲武信岳を経て東京都の最高峰である雲取山へと至るルートを奥秩父主脈縦走路と呼ばれている。
金峰山と甲武信岳の間にある大弛峠からこの縦走路の一部を歩いて甲武信岳までやってきた我々は、景勝地として有名な西沢渓谷へと下山を開始します。
タイトルは奥秩父縦走路って書いてるけど、2日目は全然ルート外れてるやん!!
そんなツッコミ所満載な旅の後編が始まります。
おはようございます!!!朝の7時に起床しました。
13時間も寝ちゃいました。下山するだけなんで、完全に気が緩んでます。
早起きしてご来光見ようと言ってましたが、起きたら風がゴーゴーいってたので、
寝袋に全員もぐりこみました。
甲武信小屋の徳ちゃんが「明け方は氷点下2℃だったぞ!」と言ってました。
寒くて何度も目が覚めたわけだわ。
そんな冷え性のあなたはおでん食べなさい!!
最近のマイブームは、この「イザメシ」シリーズです。
元々防災備蓄品なのですが、オカズの種類が豊富でどれもおいしそうです。
今回はド定番のおでんにしました。東急ハンズとかで売ってるみたいです。
sea-nov氏もスーパーで買ったおでんを食べました。
ジャムロは昨日の鍋の残りを食ってました。半分固まってたけど・・・
テントの内側が凍りついています。私のエアーマットは穴が1か所開いているので、空気が抜けて、背中が地面に近づくたびに寒くて目が覚めていました。
ここでsea-nov氏がストックで簡易全室を作る、小技を披露しました。
私もサンダルに挟まった飴玉が今回の登山の旅で取れていたので、
「サンダルで登山に行くとサンダルの飴が取れる!」という裏技を伊〇家の食卓に投稿しようと思います。
もうやってない?あっそう。
テントポールがキンキンに冷えていて、sea-nov氏が奇声を上げていました。
「なんじゃこりゃあ!!!」とセリフが聞こえそうなポーズですね。
ソーラーパネル搭載の甲武信小屋。トイレがとてもキレイでした。
因みにドコモは電波入ります。
「山の駅」いいですね。おしゃれなカフェにありそうな看板です。
下山は近丸新道で、西沢渓谷に降りるルートを通る予定でしたが、
徳ちゃん本人に「徳ちゃん新道で下りたほうがいいよ!」マジ推しされたので、
徳ちゃん新道で下山することにしました。
まずは破風山方面へまき道を進んでいきます。
それでは本日のコースタイムを紹介します。
8:46甲武信小屋→9:00雁坂峠方面分岐→10:45徳ちゃん新道分岐→12:47西沢山荘前→
13:21道の駅みとみ
行動時間4時間35分(休憩15分)
突然ですが、この旅で下山したらやりたいことリストが頭の中で作成されていました。
- 温泉へ行く(必須)これに行かないと登山の達成度は半減と行っても過言では無いでしょう。
- カラオケに行く(推奨)この旅では、道中歌いながら歩くことが多く、じゃあ行くかと。時間的に厳しそうなので車内カラオケの予定。
- 焼肉に行く(必須)下山後と言えば、体が肉を欲するものです。出来れば食べ放題が良い。
下山後の楽しみが、メンタルを維持する大事な要素のひとつであることは間違いない。
樹林の隙間から見える甲武信岳。
立派な標識とよく整備された登山道。
我々は戸渡り尾根を経て徳ちゃん新道に至ります。
ここで、ジャムロがいきなりトイレ(大)を催したので、小屋に一旦戻りました。
我々はゆっくり先に進むとします。
仕方が無いので、テン泊装備を二刀流してみます。
前が少し見にくいが、意外といける。
ちっ・・・登りかよ。
ジャムロのザック!アディオス!!君の事は忘れないよ!
嘘です。ちゃんと運びます。
こんな茶番をしながら進んでいきました。
まっすぐ行くと小屋に戻ってしまうので、左に進みます。
風がビュービューと吹きつけてましたが、樹林に守られていたので安心でした。
20分ほどして、全てを出し尽くした男。ジャムロが帰還しました。
樹林帯を下っていきます。「また展望なしか」と悪態をつきかけたとき!
富士山が見えました!!富士山見えるとやっぱり嬉しいですね。
山頂では何も見えなかったので、余計にテンションあがりました。
完璧な展望とは程遠いが、名峰が見えると足が止まってしまうのが世の常です。
富士山棒も遂に感動の対面を果たすことが出来ました。
喜びのあまり力の抜ける音を連発していたのは言うまでも無いッ!
少し先に進むとさらに展望が良いところに出ました。
富士山が、ちょうど雲と雲の間にひょっこりと顔を出している。
眼下に見える広瀬湖、そしてゴール地点の「道の駅みとみ」が見えます。
富士山もあと1ヶ月もしないうちに真っ白く雪化粧するのでしょうね。
吸い込まれそうな細かい石や砂で構成された斜面、ただこういった所には必ずと言っていいほどある登りたくなる岩。
来年は必ずあの頂に立つぞと誓いを立てる!
2枚目の写真の右奥の山は金峰山でしょうか?ちょこっと飛び出ているのが五丈岩ぽいです。あそこも次回は五丈岩の上に立つために再訪したい場所であります。
おそらくここからは急坂をひたすら下るであろうと思うので、しっかり目に焼き付けて先に進みます。
この先の近丸新道と徳ちゃん新道の合流地点までは樹林の急坂くだりでした。
やはり思った通りだわ。
鬱蒼とした樹林帯と相変わらずの倒木天国が出迎えてくれます。
しかし、昨日の俺たちと思ったら大間違いだぜ!!
乳首の回避技術を極めた我々には、すでに倒木のトラップを越えるのは赤子の手をひねるようなものです。
シャクナゲが咲き乱れてる時に通りたい樹林のトンネルを進んでいきます。
太陽もうっすらと顔を出しています。
私がよくチェックしている「天気とくらす」では本日の登山指数はCランクと登山不適合でした。理由は強風。
ただ、ここは樹林帯。風が防げるのでAランクのようなものです。
滑りやすい砂と岩の登山道もあったりしますが、前日の甲武信岳までの縦走路に比べたら比較的歩きやすい。
近丸新道と徳ちゃん新道の分かれ道の分岐に来ました。
どちらからでもいいのですが、今回は、ご本人にも会ったので徳ちゃん新道で下山することにしましょう。
ここで少し休みますが、強風なので、樹林帯でも少し風が入り込んできて寒い。
一気に汗が冷やされていきます。
この甲武信岳界隈の登山標識には必ずと言っていいほど、キツネの絵がかいてあります。キツネがこの付近にいるんですかね?
大弛小屋の看板にくっついてたキツネと同じものですね。
徳ちゃん新道はご覧のような、やせ尾根を歩くところから始まります。
よくもまぁ、こんな所に登山道を作ったもんですね。
徳ちゃんの凄さを下山しつつ感じることが出来ました。
雲に包まれて消えつつある富士山に別れを告げて下山を続ける一行。
結局展望はきくけど、雲多き登山となってしまいました。
広瀬湖もだいぶ近づいてきて道の駅の駐車場がはっきり見渡せます。
ところどころ、軍手やらタオルが意図的に引っ掛けられていたのですが、ピンクリボンと同様に目印なんでしょうか?
樹林を延々と下っていきます。大弛峠からのルートも歩きづらいですが、これを逆に登るとなるとそれはそれでしんどいのでしょうね。
ひたすらに続く単調な道に飽きてしまいそうです。
「なんか面白いことでも無いかなぁ」と思ったその時!!
「呼んだ?」
あれは!!伝説のカエデマン!!!我々の窮地に駆けつけてくれました。
日向山登山以来の登場です。
座右の銘は「登山中のゴミはジャムロに持たせる」です。
カラマツの落ち葉がびっしりと敷き詰められた道。
フカフカで歩きやすいです。
日本の針葉樹の中で唯一落葉するカラマツ。これだけの大きさのカラマツが落葉すれば天然の絨毯ができるのもうなずけます。
山の中腹あたりは、まだ紅葉も残っており登山者の目を楽しませてくれました。
GLAYのTERUを気取るsea-nov氏。とにかく歌いながら歩く事が多かった。
それだけ登山者も少なかったってことだが。
土日の混雑時では決して出来ないことが出来るのも平日登山の強みである。
美しい紅葉ハイクを楽しみながら高度をグングン下げていく(急坂なので)
徳ちゃん新道を振り返る。うん、急だね。どっちも疲れるね。
近丸新道はどうだったのだろうか?次回はそっちを歩いてみたいですね。
急に背の低い緑色の木?が出てきたら登山道のゴールも近いです。
こんな感じでたくさん生えています。がらりと登山道の雰囲気を変えてくれました。
少し下ると広場とベンチがありました。肺活量自慢のジャムロがベンチの上のカラマツの葉を吹き飛ばす図。
ジャムロの「バッチコーイ!!」は熊鈴の20倍の効力があると巷では有名な話です。
ベンチから3分ほどでおりてきました。休憩する意味が無かったくらいの距離でした。
西沢山荘があります。現在は閉鎖中のようです。
ここで西沢渓谷への入り口が現れます。紅葉の時期でもあるので、観光客がたくさんいました。
七ツ釜五段の滝は「日本の滝百選」にも選ばれている屈指の観光スポットです。
今回はスルーしますが、次回は必ず訪れたい場所です。
ここからは平坦な道を歩きます。すれ違うのも軽身な観光客だけです。
沢が流れていたので、写真を撮りに下りてみました。地図上だとヌク沢ってやつかな?
見事に二人に置いて行かれました。写真を最後尾で撮っているとしばしば置いて行かれます。
分かりづらいですが、結構な斜度の斜面を下から撮影した写真なんですが、私の立っているところが落石だらけでした。この角度から落石来たら本当恐いです。
撮影してる途中もヒヤヒヤしました。
今日の登山を振り返りながらゆっくりと歩いていく。
あれ?今日って登山て呼んでいいのかな、下山してるだけでどこのピークも踏んでない。
徳ちゃん新道と近丸新道の分岐に出ました。一般的な甲武信岳登山の玄関口まで到着しました。
この辺りも紅葉が綺麗で、大きなカメラを構えた観光客がしきりに写真にこの風景を閉じ込めんとしていました。
私の会社の上司も真っ青のおやじギャグを放つ看板。
安全登山と書いてありますが、ギャグのレベルは危険値に達している。
工事の看板も葉っぱがデコレーションされていました。
なれいの滝がありました。ジャムロがレイナの滝と連呼してました。
「レイナって誰だよッ!!」
スマホを車に忘れて、女と連絡が取れなかった彼の気持ちを察してあげてください。
木の枝が首都高の環状線のように円を描いていました。
ゲートが出てきました。「道の駅みとみ」はもう少し先です。
ループ式の高架道路の下を歩きます。
塩山駅行きのバスが来ています。これに飛び乗ってもいいのですが、腹ペコなので次のバスに乗ることにします。
東沢山荘の前を通過して大通りを歩いていきます。
西沢渓谷には素敵な館がありました。
minchさんお土産候補② おもしろこんにゃく詰め合わせ
日光白根の下山時の食事がみそ田楽のみという驚異の燃費を誇るminchさんに、
こんにゃく詰め合わせを渡したらそれだけで八ヶ岳縦走も可能かもしれません。
13:21 「道の駅みとみ」に到着しました。本日の登山行程が終了しました。
みとみから眺める山塊。おそらく、破風山でしょう。
登山達成の高揚感で「ハフウ、ハッフー!!」と意味不明な叫びをあげていました。
ハロウィンの前日ともなればカボチャがこの姿にされてしまうのは至極当然な事である。
下山後のアイスは格別です。これは山登りを趣味としている人なら誰もが知っていることです。
アイスだけではもちろん足りないので昼飯を食べることにします。
週末は会社にいます。平日は山梨にいます。
ザック達は外で休憩してるとの事なので、我々は食堂に向かいます。
エビ天うどんを食べました。一味入れすぎてめちゃくちゃ辛くなったけど美味かったです。お茶とうどんで体も温まったので、お土産コーナーをぶらつきます。
minchさんお土産候補③ ドラえもんぬいぐるみセットXmasバージョン(値下品)
ハロウィンの時期のお土産にあえてXmasな物を渡す。こんな挑発的なお土産があるでしょうか?これはキープですね。
minchさんお土産候補④ 昆虫(クワガタとか)
女子に渡すと速攻で嫌われることが出来る凄いアイテムです。
ぜひ皆さんも試してみてください。
そうこうしているうちにバスの時間が迫ってきたので名残り惜しいですが、
「道の駅みとみ」を後にします。
名残惜しいので、破風山にもう一度「ハッフー!!!」と叫んでおきました。
ほっといてくれよ
思った以上に混雑しているバス停。なんとか座れたので良かったですが、立ってる人は大変そうでした。
そして乾徳山の登山口を通過するので、登りもしないのに2度も乾徳山の出発点に来ることになってしまいました。今度登れって事だな!
塩山駅近くの駐車場に戻ってきたのは、16:00頃でした。
早速、片づけをして温泉に向かいます。
お風呂は笛吹の湯にいきました。ここの露天がとてつもなくぬるいです。
利用するのは2回目なので、分かっているのですがぬるいです。
ただその分ずっと入っていられるので、3人で今まで登った山の話などで盛り上がったのをよく覚えている。
風呂上りは、炭酸飲料をがぶ飲みしたくなる。真っ暗な自販機に難儀しながらの乾杯!
笛吹の湯の夜空にも星がたくさん見えました。真ん中の筋状のものは流れ星?
「流れ星なんて毎日流れてるんですよ」と私を小馬鹿にしたminchさんとsea-nov氏を
私は生涯忘れることは無いでしょう。
帰宅の路につきます。もちろん車内カラオケだったのは言うまでもない。
これで下山後の目的のうち2つを達成したのである。
残すは焼肉のみ!!
腹減りすぎてラーメン食べました。
焼肉ですか???もちろん忘れてませんよ。
自宅まで戻ってきて焼肉屋へバイクで向かう。
酒飲めないじゃん!!!
sea-nov氏のトラップにかかり最後の目的の焼肉祭りの開始です。
ウーロン茶で乾杯!!!
食べ放題にしたんですが、見事に失速しました。
原因はラーメンですね。今までで一番肉が食えなかったはずです。
こういう時ジャムロの食欲が羨ましく思えます。
回転寿司で30皿以上食べれるのは山部の中ではジャムロだけです。
ここでsea-nov氏と別れ、ジャムロとも途中でお別れしました。
2日間に渡る甲武信岳の旅は、油の取りすぎによる胃もたれで幕を閉じました。
◎まとめ◎
大弛峠から西沢渓谷まで2日間歩き続けてきましたが、とにかく樹林帯の比率が半数以上を占めていたためメンタルを削られながらの登山でした。
しかし展望の効くところは奥秩父の山深さを味わえる気持ちのいい景色が広がっています。登山道の倒木の多さには難儀しましたが、何もない樹林帯を延々とあるくよりアトラクションがあるだけマシということにしておきましょう。
山頂は360度の展望というわけでは無いですが、「百名山の展望台」と言ってもよいでしょう。(天気が良ければの話)
テント泊を楽しむなら大荷物で長時間の移動を強いられるので、早めの出発をオススメします。
軽装備で徳ちゃん新道から登って小屋泊をするのも良いかと思います。
自分のプランにあった山登りを楽しんでください。
※後日、minchさんに富士山棒をお土産として渡しましたが、「何これ?お土産なのに汚れてるんですけど・・・」と苦笑いされました。
甲武信岳テント泊の旅 おわり