甲武信岳テント泊の旅。奥秩父縦走路を行く。~前編~
10月29日 山梨県と埼玉県と長野県の3県の境にある甲武信岳に行ってきました。
本来この日は新潟県に行き、越後駒ケ岳と巻機山に2日かけて登る予定でしたが、
天気図を見ると雨+強風の凶悪なコンボが発生していたので、
比較的天候の良い奥秩父山域に急遽プランを変更することに!!
2日間あるので、大弛峠から北奥千丈岳と国師ヶ岳を経由して奥秩父山塊を縦走しようということになりました。
基本樹林の中+倒木多い+標識が無くて進んでる気がしない、といった道でした。
テン泊装備で行ったのもありますが、なかなかしんどい道のりでした。
久しぶりの北千住山部のコアメンバーで行く登山のスタートです。
21:30 珍しく、私の自宅に集合で旅がスタートします。
スーパーで食材を調達します。鬼軍曹のsea-nov氏は、新人におでんを大量に持たせるスパルタな登山をさせる事で有名ですが、今回は自分で持っていました。
ジャムロが鍋を作ってくれるそうなので、野菜や肉も買いました。
sea-nov氏の庭ともいえる中央道へ向かうべく首都高を走る!
キープレフトって書いてあるけど左車線工事中なんだが・・・・
説明はもはや不要!!我らがオアシス談合坂へ、いざ出陣!!
毎回このサーロインステーキが食べられない!今後も食べることは無いでしょうが。
「マスター!いつものよろしく!」で注文できるのではないか?と勘違いしてしまうくらい常連だぜ!と思いましたが勘違いでした。
写真の使いまわしをしても良いのではと思うくらいこれしか食べてない!
sea-nov氏は鯖サンド食べてましたが、手を洗っても鯖の匂いが取れなくなって困っていました。私の中でデンジャラスフードに認定しました。タマネギ入ってるし・・
今回は普段お世話になっている山部のマネージャー、minchさんに何かお土産を買っていこうという事になりました。
候補① 富士山の謎の棒(潰すと力の抜ける音がする)
やけんは攻撃力が5上がった。
夜の談合坂で何をやっているのでしょうか。
エナジードリンクで気合を入れて今日のキャンプ地まで行きます。
私の役目は、後部座席に座ってボケーっとしている簡単なお仕事です。
真夜中2:30 乾徳山登山口の駐車場に到着です。乾徳山には登らないけど来ました。
別に気が狂ってしまったわけじゃないですよ。
最初から気が狂ってますので。 ここにテント設営して仮眠をとりました。
朝です。ここから塩山駅のコインパーキングに車を停めて、タクシーで大弛峠へと向かう予定です。
とりあえずザックに装着しました。
うん。糞ダサいね。
さあ、出発です。タクシー乗り場に向かいます。この時点でジャムロが車に携帯を忘れていきましたが、気づいた時にはもう遅いところまで行っていました。
タクシーのおじちゃんが、「塩山駅には仮眠スペースがあるんだよ」と言ってました。
乾徳山まで行った私たちはいったい何だったんでしょうか?
タクシー代は約1万2000円でした。
後、大量のポケットティッシュをくれました。
大弛峠は以前、金峰山登山で利用したことがありました。
長野県側の道路の荒れ具合と予想以上の寒さに立ち尽くす図。
大弛峠は、看板通りの車でいける高い峠です。
甲武信岳までは片道6時間と日帰りは厳しい仕様になっております。
大弛小屋はやってません(?)でした。茶屋が休みなだけかも。
柱にキツネがいます。このときは全然気づかなかったな。
そんな訳で登山開始です。
本日のコースタイムです。
9:00大弛峠→9:10夢の庭園→9:40前国師岳→9:55北奥千丈岳→10:16国師ヶ岳→
12:07国師ノタル→13:30東梓→14:13両門ノ頭→14:48富士見→16:14甲武信岳山頂→
16:42甲武信小屋
行動時間7時間42分(休憩45分)
いきなり良く整備されている登りが始まります。
登山道の脇は苔がたくさん生えていました。
少し進むと、分岐が出てきます。どちらからも甲武信岳には行けるので、
夢の庭園に向かう、永遠のピーターパンボーイおじさん3人。
夢の庭園・・・?これは夢なのか?と思うようなピンとこない場所でした。
夢の庭園をいまにも食い尽くしそうなガスが流れてきます。
正面は登ってきた大弛峠。
かと思えば、ガスが抜けて太陽がのぞいたりとめまぐるしいです。
とにかく苔が多いのと、花が終わってる時期なのでカメラを下に向けることが多かったです。
木に生えた苔が朝露なのかガスのせいなのか海ブドウみたいになってました。
冬に向かい裸になっていく木々の中を進んでいきます。
お陰で展望は良好です。
国師ヶ岳の前座?的なポジションだと思ってましたが、展望が結構良かったです。
山肌が紅葉して赤い! フォトジェニックな景色であります。
すぐに、北奥千丈岳の分岐が出てくるので、ザックをデポして寄り道します。
遠くに、同じような看板が見えます。国師ヶ岳の山頂でしょうか?
9:55 北奥千丈岳に到着しました。奥秩父最高峰をあっけなく踏んでしまいました。
sea-nov氏は常念山脈縦走時にGETした燕Tシャツを着てました。
インパクトありますね。このTシャツ!!
遮るものがないので、遠くまで見渡せる。
もうフォトジェニックが進化してフォトジェニファーでした。
気持ちのいい景色+登りたくなる岩の組み合わせは鉄板の写真が撮れます。
sea-nov氏は私が高所恐怖症だというのを最後まで信じてくれませんでした。
ザックを回収して少し樹林帯を歩きます。ここから国師ヶ岳はすぐそこです。
10:16 国師ヶ岳に到着しました。花の百名山と山梨百名山のブランドを冠しています。
三角点にタッチは定番です。
雲の量も多いが、太陽が眩しいくらいに輝いている。
登山道?崩落の看板がありました。帰りは西沢渓谷方面へいくので下山道の状況は、 甲武信小屋で聞くことにします。
ここからは展望の良い景色とおさらばになり、樹林帯がはじまります。
今にもへし折れそうな木がありました。
石の登山道のスベルクリン反応が陽性だったため、転びそうになりまくります。
攻撃力の高そうな倒木がありました。と、この時はのんきに考えていましたが、
この突起物(乳首と我々は呼ぶ)に悪戦苦闘することになるとは。
倒木が標識になっていました。登山道の倒木の多さに驚かされます。
北千住山部の行動食といえば「えいようかん」なのですが、新作のチョコ味が出ていたので、食べてみました。味は美味です。
ベースはチョコ味ですが、後味は間違いなく羊羹でした。
標識が全然ありません、見落としてるのかもしれませんが赤いリボンがでてくるだけです。どこまで進んだのか分からないうえに樹林帯のため、退屈な道が続きます。
うっそうと生い茂る樹林帯に最初こそ、歌をうたったりボケたりしてた我々も次第に、だんまりしていきました。ザックの重さと相まって気分も重たくなるッ!
こんな倒木を跨いだりして越えていく個所が、ちらほらあります。
そんな倒木も多くの苔に浸食されていました。
樹林だけの登山道の唯一の癒しは、豊富な苔でした。
倒木道を進んでいきます。頭上注意です!!
やっと標識がでてきたが、どこまで来たかわかるものでは無かった・・・。
コレジャナーイ!!!
こういう時は癒しに逃げる!!苔からなにかが生えていました。
花でも咲くのか??
PM12:07 国師のタルに到着しました。やっと地図上で自分たちがどこにいるかわかりました。あれ?コースタイム遅れてる??
知らずのうちにバテていたようです。
国師のタルは展望こそ無いですが、樹林帯の中の広場みたいになっているので風を凌げます。昼飯を食べるには最適ですね。
昼はラーメンに限りますね。夜もラーメンに限りますが。
サッポロ一番の塩ラーメンは、個人的インスタント麺の王者に君臨しています。
だから何??ですよねぇ~。
飯を食って再び出発。国師のタルからは再び樹林の登りです。
三角点??らしきものがありました。
木が膨張していました。いったい何があったのでしょうか??メタボ???
苔ティッシュな登山道が続きます。
ここもだらだらと長い道のりを歩く!相変わらず展望も皆無です。
13:30 東梓に到着しました。もうしわけ程度に看板があるだけで、何もないです。
ただの通過点でした。
ご丁寧にくりぬかれた倒木の階段。
「まだ半分までしか来てなかったのか!!あははあは」
発狂した登山者が看板に正拳突きでもかましたのでしょうか?
危険なのは、この倒木から飛び出ている乳首です。
かるい気持ちで倒木を越えようとすると、死角にある乳首が牙をむきます。
ジャムロも私もこれにより多大なダメージを負いました。膝、流血したし!
倒木と乳首の波状攻撃をかいくぐりながら進んでいく一行。下ばかり見ているとサイドから乳首が襲い掛かり腕をえぐってきます。ジャムロは左腕ばかり狙われていました。
もう乳首が恐い・・・・。なんだこの乳首を連呼してるブログは。
苔で覆われた天然の椅子がありました。これなら痔の方も安心して座れます。
その前に、痔を治してから登山しましょうね。
見てください。2人とも、うつむいて言葉もありません。
さっきまで小学生が歌うようなお下品な替え歌を大声で歌ってた人たちとは、とても思えないくらい静かです。
急に展望の良い場所に出ました。ここがおそらく、両門の頭という場所のはず。
目の前は切り立った断崖絶壁になっています。ギリギリに立ってみましたが、
あと半歩前に出たら、「返事がない、ただの屍のようだ」になれます。
あ、2度目ですが、私は高所恐怖症です。sea-nov氏は信じてくれませんが。
束の間の展望を楽しみ、再び樹林帯を歩くこと30分。
14:48 富士見に到着。富士山ですか??見れません。ここ樹林の中だけど?
とにかくアップダウンの多い登山道です。最初から標高が高いところにいたのですが、下っては登り返して、また下って登るとゆるゆる標高をあげてくパターン。
ラーメン、トッピング「苔特盛り」で!!と頼みたくなるようなこんもりした苔。
そういや苔って食べれるのかな?
今度ジャムロの昼飯にこっそり入れてみようと思います。
再び開けた場所に出ました。ザレザレな道を写真の真ん中方面に下っていくと、
もれなく遭難するので、左の正しい道を進みましょう。
千曲川源流への分岐に着きました。甲武信岳は、千曲川・荒川・笛吹川の3つの水源を有する山です。千曲川は新潟県に入ると信濃川に名称が変わります。
遂に甲武信岳の頂をとらえることが出来ました。山頂に人がいるのが見えます。
ガスが上がり展望がなくなる前に頂上に行きたい!
最後の岩場を登る!高度感もあり、ここの歩きが気持ちいい!
気づけば16:00を過ぎており、太陽もかなり傾いていました。
16:15 甲武信岳山頂に到着。個人的には22座目の百名山でした。
名前の由来は甲州(山梨)・武州(埼玉)・信州(長野)の3県境にあるからという説が有力です。他には山容が拳の形をしてるからだそうです。
どのブログにも書いてあることですか。そうですか。
sea-nov氏は37座目を達成していました。山頂標識の棒がもう一本転がってたので、それで遊びました。
イエス・キリストを表現したかった私は十字架を作ってみました。
私がキリスト教徒??違いますね。神様って本当にいるんですかね??
あ、貧乏神だけはこの世にいると思います。
富士山が見えない。せめて富士山棒を掲げておこう。
今日は見渡せた百名山はゼロです。雲しか見えない。
岩の隙間に、木彫りの仏像がいました。
謎の人形が置いてあります。さすがのジャムロもお賽銭をあげませんでした。
日没が近いので、甲武信小屋に向かいます。
10分程下ると甲武信小屋に着きました。
そういや、もうすぐハロウィンなのね。鯉のぼりとの異色なコラボが目立ってます。
テントの受付を済ませに、小屋にお邪魔します。
なんと売店でビールとメガネのセット販売をしてました。
この発想には脱帽しました。外の鯉のぼりと言い、この小屋には天才がいるな?
受付をしてくれたおじさんもカボチャの帽子を被っていました。
徳ちゃん新道の生みの親「山中徳治さん」も居ました。小屋番の爪さんもおるで。
速攻でテント設営して、夕飯にします。外がめちゃくちゃに寒いです。
お湯を沸かし白飯を作ります。手が寒いのでバーナーで暖をとろうとしたら、普通に手を焼きました。皆さんも気をつけてください。
鍋キューブは本当に便利です。気温も寒かったので、今回は野菜も腐っていませんでした。
肉を最後に投入して出来上がり!美味しくいただきました。
今日登った甲武信岳を光で表現してみる!寒すぎるので15分で撤収しました。
こうして1日目の夜は更けていきました。
大弛峠からなんとか甲武信小屋まで歩いてくることが出来ました。
トラップだらけの倒木道でしたが、山頂に辿り着いた時の達成感はひとしおでした。
登山道も明瞭で、分かりやすかったのですが、樹林帯の時間が長いので次回は違うルートを行こうと思います。
甲武信岳テント泊の旅 後編に続く