北アルプス1週間縦走の旅!日本最後の秘境、雲ノ平へ行く!
およそ1年前のこと、山雑誌でたまたま見た雲ノ平の文字。北アルプスの最深部にあり日本最後の秘境と呼ばれている。そんな場所がまだ日本にあるのか!!しかし、雲ノ平は奥深い。日帰りで行けるような所では無いし、その周辺には名だたる名峰が鎮座している。これはでかい休みが必要だ・・・。
この時、緊急会議が開かれる!!
集まったのは、職場の登山メンバーでもコア(核)な位置づけにありこの部隊を率いるリーダーでもあるsea-nov氏と山のコックを目指す豪傑ジャムロに私を入れた3人だ。
このメンバーで山に登ることが1番多くお互い気兼ねなく言いたいことが言えるので雲ノ平に行くにはまさにベストメンバーであった。
1年という期間を有効に使い会社に根回しして3人の夏休みを同じ日に設定することに成功した我々は遂に雲ノ平への第Ⅰ歩を踏み出すのであった。
8月1日(土)
重たいザックを背負い職場へ向かう!頂いた夏休みは1週間、それを山で過ごすための荷物が詰まっている。全てテント泊で行くつもりなのでザックがいままでに無いくらいパンパンで綺麗なシルエットをしていたw
仕事を終え、毎日アルペン号の待つ竹橋へ向いたいところですが、時間があるので近くの銭湯へ向かう。旅が始まるとしばらく風呂には入れないので・・・
これぞ銭湯って感じがいい!さすが下町!壁にはもちろん富士山、そしてケロリン、
お湯がめちゃくちゃ熱い!!いい風呂でした。前泊登山の旅に行くときはこれからお世話になろうと思いました。
会社にデポしたザックを拾い竹橋へと向かいます。幸い土曜日だったので電車は比較的空いていた。
初めて竹橋で降りました。というのも夜行バスに乗るのが初めてなんです。基本的には
車か電車で登山に行くので・・・。夜行バスで寝れるのか少し心配です。
毎日新聞社に着きました。すでに登山客がかなり集まっていました。ずらりとザックが置かれていました。ここで近くのコンビニで飯食って出発します。
3列シートだったので快適です。ただ寝れるかといったらそれは別!目をつぶってはいるが寝れません。遠足前の子供症候群にかかっているのもあいまって目はさえてしまいます。
途中、談合坂と諏訪湖でトイレ休憩をします。深夜なので店はほぼやっているはずもなく、閑散としています。ここで小腹が減ったのでうどんを食います。おなかが膨れれば寝れると思ったが駄目ですねw
そうこうしているうちに平湯に到着しました。今回の登山の出発点である新穂高まではもう少しです。空も明るくなってきてしまい、寝るのはもうあきらめました。
AM5:30新穂高に到着しました。ここで思わぬサプライズが!!元同僚のハッシーが新穂高駐車場で待っていました。sea-nov氏とジャムロは知ってたみたいですが私をびっくりさせるために内緒にしてたようです。嬉しいサプライズでした。ハッシーは全国を無謀な一人旅をするMr.ストイックで、今回の旅の為にわざわざ旅先の秋田から駆けつけてくれました。
ハッシー自身の夏休みがこの時点で残り2日だったので、双六小屋で1泊して翌日双六岳にアタックして一人で下山するストイックプランです。
ここで登山届を提出してトイレを済ませておきます。ビジターセンターに自販機もありました。
準備をして駐車場を出発します。遂に長い旅のはじまりです。
新穂高ロープウェイがあります。ここの西穂高口駅はソ〇トバンクのCMで有名ですね。
「山頂からでもつながるのよ。」といわれてますが、登山者にとってはそこがスタート地点なんだがね。そして電波は山頂や稜線の方が繋がりやすいんだよね。
私はこのCMのせいでドコモに乗り換えました。
橋を渡ると看板が出てきます。しばらく林道の中を歩きます。
最初のチェックポイント?でもあるわさび平小屋まで70分ほど歩きます。地図を見る限りは平たんな道をひたすら進むだけ。
ゲートが、でてきました。自転車を激写するハッシーは自転車を組んだり解体するのはお手の物。手に職もってるっていいですね!
今日の日程はわさび平を越え、小池新道を登り、鏡平山荘で昼飯食べて、双六小屋でテント泊の予定です。会社の同僚からは、「8時間登りばかりで、テン泊装備だし初日からキツイプラン組むね」や「君らはドMなのかい?」と好き放題言われたが、初日の体力があるからこそのプランだと頼れるリーダーsea-nov氏は言い放ってました。
林道をサクサク進んでいきます。横を沢が流れているので涼しいです。
謎の施設がありました。この辺で太陽が出てきて暑くなってきます。
まだ歩き始めて間もないですが、開放的な景色はさすが北アルプスですね。
今回は登りませんが、笠ヶ岳に通ずる笠新道との分岐に着きました。この笠新道はなかなかのハードな急登と聞いており、会社屈指のドM集団である我々も是非登ってみたい登山道のひとつである。
この笠新道の脇に水場があります。ここでハイドレーションに水を補給しました。今回の旅はテン場に水場があるところが多く、水の面での心配が少ないのはうれしい限りです。
少し歩くとわさび平小屋に着きました。たくさんの登山客が休憩してました。
冷たい水にトマトときゅーうりという物が冷やされています。
トマトときゅうりは私の嫌いな食べ物TOP3にいる重鎮です。
ここは華麗にスルーしました!
わさび平小屋でハッシーがとある提案をします。sea-nov氏のザックを自分が背負うというのだ!なんてストイックなんだ!!!さっきの頼れる発言はなんだったんだと言わんばかりの楽をしているsea-nov氏。この斬新なZCS(ザックチェンジシステム)を採用したのは広いアルプスの中でもこのグループだけでしょう。
雪渓が出てきます。だいぶ解けてはいますが、まだこれくらいのサイズが標高の低いところにあるのに驚きです。
雪渓を越えて少し歩くと小池新道の入り口分岐が出てきます。ここが本日のハイライトと言わんばかりの急登地獄の幕開けです。
沢の流れが作り出した雪渓トンネルを横目に徐々に登り始めます。
岩がごろごろしてて少し登りにくいです。雪渓付近は涼しかったけど太陽が照りつけてくるので汗が噴き出始めます。
振り返ると右奥に見える茶色い山が焼岳です。北アルプス唯一の活火山です。
狭い樹林帯の急登は登山者で大渋滞です。お盆の頃に訪れたらこんな渋滞じゃ済まないんでしょうね!
秩父沢分岐につきました。鏡平までまだ2時間登り続けます。sea-nov氏にザックが戻ってきました。ハッシーは次はジャムロのザックを背負います。ちなみにこのザックが一番重いです。野人ハッシーもこの時ばかりは辛そうでした。
秩父沢では多くの登山客が休憩してました。沢の冷たさと心地よい水音の誘惑を断ち切って先に進みます。双六小屋までの道のりはまだまだ果てしないです。
チボ岩がでてきました。どれがチボ岩なのかわかりませんでした。
チボ岩から少し進むとイタドリヶ原に到着しました。ここで小休憩することに、みんなバテバテです。
汗だくのジャムロの頭に蝶が止まりました。払ってもまた止まります。絶対ジャムロの所に戻ります。学名はアセスキチョウと名付けました。
休憩もそこそこにまたひたすら登ります・・・おや?sea-nov氏がまたアローを背負ってますね。そうですバテまくりのリーダーはまたザックをハッシーに託しました! 「先輩!まだ1日目っす!!」
標高があがってきました。焼岳の裏に見えるのがチャリンコでいける最高地点がある、乗鞍岳です。比較的簡単に3000m越えのピークが踏める山です。
北アルプスに来たなと思う光景、初めて北アルプスを訪れたのは去年の七月で五竜岳に登ったのですが、悪天候で何も見えなかったので狙い通りの晴天に恵まれてよかったです。
シシウドヶ原の分岐に到着です。いつのまにか標高が2000mを超えていました!鏡平までもうすぐのはず!しばらく歩いていると登山客がざわついています。何かいるのかなと思ったら。
おこじょがいました。色が白くないので夏毛なんでしょうね。めちゃくちゃカワイイです。まさかライチョウより先に出会えると思いませんでした。
サービス精神旺盛な、おこじょでしたが登山客の方が一人、転びそうになって大きい音をたてたら穴の隙間をかいくぐり逃げて行ってしまいました。先を急ぐとしましょう。
箱庭的な所に出ました。
クルマユリが咲いています。
熊のおどり場がありました。てか熊のおどり場って何だww
あと5分の目印キター!!木道を進んで鏡池に到着です。
みんな大好き槍ヶ岳が遂に姿を現しました!天を貫く槍は北アルプスのシンボルです。タイトルの写真もここで撮影したものです。
逆さ槍も一応撮れました。とても下手くそにとれてて自分でもびっくりしましたw
PM12:10 写真撮影もそこそこに鏡平山荘に到着です。
ここでは、かき氷やキンキンに冷えた生ビールが売っています。缶ビールでは無く生ビールですよ奥様!しかし先がある我々はカレーライスとかき氷を頼みました!男は黙ってカレーを食べろ!!
で、食べました!山で食うカレーは何でうまいんだろう。スノボーのレストハウスで食うカレーがうまい!の夏バージョンですね。かき氷と鏡平のバッジ。私はイチゴ味を食べました。
小屋番の方々も屋根で一服中。ここで今日の工程を終了して、生ビールで乾杯したいとこですが、進むとしましょう。
ここからは槍ヶ岳を見ながらのながら登山が可能です。よそ見しすぎて足を滑らさないか心配です。
弓折乗越(ゆみおりのっこし)をめざして登っていきます。ここでsea-nov氏がいきなり「自販機がある!あそこに!」と言い出したんですが、そんなものはあるはずがない。そうです。疲れすぎた彼は幻覚を見ていたのです!
弓折乗越に到着です。双六小屋までだいぶ近づいてきました。ここでおじいちゃんに「ザックチェンジシステムはどうだった?」と聞かれました。もう世間で流行りだしたのか?? そんなわけもなく、わさび平で話をしてるのを聞いてたみたいです。
sea-nov氏も贅沢な休憩を満喫して復活しました。軽いザック背負ってるシーンばかりなんだがおかしいなぁ・・・w
双六小屋を目指し再び歩きます。ここで私にZCSが巡ってきました。「か、軽い!」 まるで何も背負ってないのでわ?と錯覚するくらい軽いです。
鏡平山荘もあんなに小さくなりました。
ハクサンフウロが咲いてました。
ひらけたところにある小さい雪渓をこえると花見平の看板が。たしかにまわりにたくさんの花がさいてました。
ハナニガナ(sea-nov氏談)さすがリーダー!勉強になります。
天然のトンネルをくぐっていきます。ザックがデカいからひっかかるひっかかる。
「小屋が見えたー!!!」テンションがあがる一同!でもこれ一回下って登り返しじゃね?テンションさがる一同!小屋の後ろにそびえる鷲羽岳がかっこいい!
トリカブトが咲いてます。毒があるで有名ですが綺麗な花です。
くろゆりベンチなる休憩ポイントが!黒百合まったく咲いてなかったですがね。
sea-nov氏とジャムロは見てのとおりです。
タテヤマリンドウが咲いてました。
PM16:00 遂に双六小屋にたどり着きました。テン場はそこそこ混雑してました。早速受付に向かいます。
大きい小屋なので診療所もあります。安心ですね!受付をすませ!さっさとテント設営して夕飯を作ります。
初日だけ鍋です!野菜と肉をジャムロが背負ってきました。肉を入れて野菜を入れて煮込んでいると「なんかすっぱい匂いしない?」「これ野菜腐ってない?」「保冷のバッグに保冷剤なしで入れてたんで」「・・・・」鍋から早々に野菜が撤去されました。てか肉もなんか腐ってたぽいけどなwとりあえず食べました。さっそく診療所にお世話になるところでした。
飯を食い終わった所で通り雨と雷が鳴り始めたのでテントへ避難!明日も早いので缶ビールささっと飲んで寝ました。明日は双六岳へ登ります。
◎まとめ◎
小池新道は予想以上にハードでした。しんどい→しんどう→新道が語源なんじゃないかと錯覚してしまうくらい〇〇新道と名のつく所はきついイメージがあります。ただ北アルプスの名だたる山を眺めながらの登山はまさに大人の休日と呼ぶにふさわしい至高の時間となりました。是非夏のシーズンの北アルプスを訪れてみてください。かなりの長文になってしまいましたが、まだまだ話は続きます。次回2日目の旅へ。
長文失礼しました(投稿者やけん)