~三頭山~奥多摩屈指の急登ヌカザス尾根を行く修行の旅
2016年5月7日 三頭山(1531m)日本三百名山
奥多摩には三頭山(みとうさん)という山がある。
山岳公園でもある東京都檜原都民の森から比較的容易に登ることができる人気のスポットであったりする。4時間ほどで山頂踏んで周回できるお手軽感も魅力なんでしょうね。
そんな三頭山ですが、今回ここを訪れたのは理由があります。
自分にとってとあるスケールのでかい山に登る為の体力強化でこの山を指定しました。
私、やけんといえば、北千住のドM野郎で暇があれば山登りたい病であり、マクドナルドでポテトを全部食べてからじゃないとバーガーに手をつけない事でお馴染みですが、そんな15cm定規で測れてしまいそうなスケールの小さい私が、スケールの大きい登山への前哨戦へと向かうお話です。
奥多摩といえば中央線、前回は凡ミスを犯した為に三頭山登山を逃したのですが、今回は5月という事でバスの本数も多いので安心です。
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毎度思うのだが車両とホームの間隔がすごい、お年寄りとか降りれるのだろうか。
土曜日ということもありハイカーであふれていました。私は都民の森から周回するルートでは無く奥多摩湖から登り都民の森に降りるルートを歩くので奥多摩駅にて下車します。
奥多摩湖が見えてきたので下車します。
目の前に広がる奥多摩湖。
「いいねえ、この眺め最高だわ」さて名物の浮き橋はどこじゃろな?
「・・・・・・・・」
「あれ?浮き橋無くね?」
そういえば事前にネットで調べた時は小河内神社で下車って書いてたな。
奥多摩湖見えたからとっさにバスを降りてしまった。次のバスが来るのが1時間後。
「歩くか・・・・」
こうしてオプションで舗装道歩きのサービスを注文した私はバス停5個分くらいを歩く羽目になりました。
ということで今回のコースタイムの紹介です。
9:00奥多摩湖BS→10:14麦山浮橋→11:04三頭山登山口→12:10イヨ山→13:24ヌカザス山→14:44三頭山山頂→15:55三頭大滝→16:12檜原都民の森
行動時間7時間12分(うち休憩時間15分)
ヌカザス尾根に思ったより時間をくったみたいです。なめプで行ってはいけない山ですね。
まぁ体力強化にはちょうどいいかと前向きに考えずには、いられませんでした。
三頭山、登る前から私を拒んできます。
奥多摩湖の青々とした水面がキラキラと輝いています。天気は素晴らしい快晴ですね。
舗装道歩きをするといろいろな物を発見できます。
こんな所にポツンと郵便局があったりします。
歩道がない所もあったり(というよりはほとんど歩道など無い)車がバンバン走ってくるので恐怖でしか無い。
この舗装道歩きはコナミの名作「ワイワイワールド2」の道路を横断するステージを実体験させてくれる道となっております。コナミ好きは歩くしかないですね。
もちろん当たればゲームオーバーですが。
ちなみに私はビル(魂斗羅)を使ってました。
特に怖いのがトンネルです。普通に轢かれそうなのでヘッドライトを後ろから来る車の方向にちらつかせながら歩いていました。
抜群の天候と抜群の展望ですが、後ろからの車が怖くて楽しめません。
そんな私の目の前に突如クイズが出題されました。
質問の答えよりマグマ大使が何者なのか気になって仕方ありません。
山草1.8プレゼントって何だよ。せめて2個くれよ。
何の花でしょう?綺麗な白い花が咲いていました。
お・・おう、がんばれ。
シンイチとケンイチで上手く韻を踏んでいた。今頃はDJ真一という名で都内のクラブで活躍してるかもしれません。
赤い橋が見えてきました。あと少しで小河内神社BSに辿り着く。
ここで一台のバスが私を抜いていく。あれ?これは完全に歩いた意味なかったやつですかそうですか。
結局奥多摩湖から1時間15分かかりました。
この景色を見たいのもこのルートを選んだ理由の一つでもあります。
浮橋付近にはそこそこの人がいました。これから山登りする感じでは無い人がほとんどだったかな。これから登山するやつなんて私ぐらいでしょう。
他の方たちはもうとっくに登ってるだろうし。
この麦山浮橋は湖底に沈んでしまった通行路の代わりに設置されたそうです。
材質はポリエチレンとスチロール製で大変軽く水に浮く仕様である。
昔はドラム缶を使っていたのでドラム缶橋とも呼ばれているみたいですね。
1時間超の舗装道歩きに疲れてしまいましたが、まだ登山口にも着いていないんですよねー。
さて進みましょう。
このようにしっかりしてるので清水公園のようなドボンは芸人で無い限りまずありえません。
橋の先には石段が設けられてあります。目の前から人が・・もう下山してきた人ですかね?私なんてまだスタート地点にもいませんよ。
振り返ると渡ってきた麦山浮橋。もっとのんびりしたかったなぁ。
登山口にはたどり着いていませんがすでに登山道のような雰囲気の道を進んでいく。
と思っていると舗装道に再び出ます。登山口がある右方向へ進みましょう。
登山口が中々出てこなくて間違えたかと不安になりますが、信じて進みましょう。
登山口まで不安になりつつ舗装道を歩いていると何かが足元を通過した。
蛇と遭遇しました!アオダイショウかな。私は虫は嫌いですが、爬虫類は毒でも無い限りとくに嫌いではないので、ワクワクしました。
暖かくなってきて蛇も活発になってきたってことでしょう。
途中に偽登山口みたいなものがあり騙されそうになりましたが、本物はこのようにしっかりと看板があるのでご安心を。
早速、奥多摩感満載の樹林帯に突入です。山=序盤は樹林の定理はこの山も例外ではなかった。
序盤こそこのような平坦な道もありますが、このヌカザス尾根は奥多摩三大急登に入ったり入らなかったりとグレーな位置付けですがそれは楽な登山道でないことだけは違いない。
徐々にきつくなっていく傾斜。だがしかしアタックザックの私は思ってるより調子が良くサクサクと登って行く。
人気のある山は標識もしっかりしており、普通に歩いていればまず道には迷わ無いでしょう。
木々の間から見える奥多摩の山々。序盤ですが舗装道歩きのせいで足の裏が痛いです。
いかに登山道が舗装道の数倍足に優しいかが分かります。
五月の山は新緑が気持ちよいですね。この時期の山も悪くないですね。
奥多摩湖と白い橋が見えます。標高はまだあまり稼いでいないようです。
三頭山まで残り3.7kmの標識。確かここがイヨ山だったのですが、ピークらしいピークどころかなんにもありませんでした。
メインイベントがどちらかというと山頂より麦山浮橋だったので特に代わり映えのしない樹林帯を歩き続けます。
いきなり傾斜が地獄級に難易度アップしてきました。
マ・・マグマ大使の仕業か?
岩とかも増えてきてかなり急峻な登り坂がひたすらと続きます。
下を向いて歩いててもしんどいと上を見上げると新緑が本当に素晴らしい。
気持ちのいいくらいの緑に癒されつつ鈍足で進んでいきます。
さらに斜度がきつくなる。ヌカザス尾根、奥多摩三大急登で確定してもいいんじゃないの??
このように頼りないロープも出てきますが、頼りないので自分の腕に頼りました。
急登を登り終えてたどり着いたのがヌカザス山の山頂?でした。
ヌカザス山は写真のとおり展望もない残念仕様の山でした。
しかし、これでヌカザスって読むんかい!!と誰もがここにたどり着いて思うに違いないでしょう。
何もないピークに滞在してても仕方がないので先へと進みます。
美しい花が咲いてはいませんが、アカヤシオぽい残骸はたくさん落ちていた。
とにかく長かったヌカザス尾根。最初こそ好調に飛ばしていましたが、あまりにも急峻な登りが続くため徐々に失速しました。
これ日本三大急登よりきついんじゃないの?登ったことないけど・・・
お??開けたところに出ました。
14:44 三頭山山頂に到着です。この時点でかなり時間押してますね。
そこそこに広い山頂には表彰台のような配置の柱が設置されていました。
三角点もしっかりとありました。
山頂の展望は360°の視界が開けている訳ではないですが、富士山を望むことが出来ました。霞んでいますが富士山の上にある雲がいい味をだしていました。
私はというとヌカザス尾根のハードな登りで体力が底をつき床ペロしました。
この写真は撮ってもらったのだが、不審がられたのは言うまでもない。
登山界一の床ペロリストを目指す私としてはこのような冷たい視線は乗り越えなければいけない試練なのである。
晴れているとこのように見えるそうですね。昨年末に登った百蔵山も見えるみたいですね。
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さて、下山道を行きましょう。昼飯は行動食で済ませました。
都民の森へと下るので、避難小屋・西原峠方面と書かれた方向に進みます。
ブナの路を進み標高を下げていきます。避難小屋までは行かずに、その手前の分岐を左に曲がり三頭大滝を目指します。
ツルキンバイが岩の周りに咲いてたりしました。登りは急登との格闘に夢中で花とか見てる余裕なかったな。
御嶽山のロックガーデンを彷彿とさせる岩と水の登山道が出てくると三頭大滝も近いです。
ここで本日2度目の蛇に遭遇。ビニールホースのような模様をしていました。
そしてこれが三頭大滝です。というのはうそで滝撮影の練習場にぴったしなのでここでしばらくカメラと格闘しました。
三頭大滝はこのような立派な滝見橋が設けてあり、このあたりまで来ると観光客の比率の方が多くなっていました。
滝を流動的に撮っているのを他のブログでやってるので挑戦してみましたが、完全ににわかカメラマンの称号を持つ私は光を取り入れすぎな1枚になってしまいました。
都民の森にある森林館への道のりはウッドチップが敷きつめられており、フカフカで足に優しい。酷使した足にはありがたい仕様です。
落石多発地帯を通過します。フェンスを軽く突き破るような落石をラワン合板がガードできるとは到底思え無いのは私だけでしょうか?
訪れたのは5月ですが、あと1ヶ月もすればもっとたくさんの種類の花が咲き誇っているかもしれ無いですね。
まぁその頃には梅雨だけどね。
観光客でも気軽に立ち寄れる領域にも中々の展望が広がっていたりします。
知らない山ばかりですが、それだけたくさんの山が日本にはあるということ。
楽しみは尽きない。
森林館の手前には綺麗な白い花が咲いていて思わず立ち止まってしまいました。
環境省の準絶滅危惧にも認定されているレア?な花だったのかな。
見れてラッキーということにしておこう。
森林館に到着しましたが、自販機の炭酸が全滅していたので速攻で下山しました。
さらに下ると売店があり、ここでお土産やら炭酸を買うことができます。
三頭山のバッジもここの売店で販売していました。
帰りは数馬の湯によります。ここで注意なのが降りるバス停です。
数馬の湯は温泉センター(数馬の湯)で下車します。その手前のバス停が数馬なので、間違ってそこで降りないように。私も数馬で降車ボタンを押してしまい、バスの運転手さんにごめんなさいしました。
数馬の湯は廊下にはお面の世界という夜中には歩きたくない回廊がありました。
休憩室には暖かそうな暖炉があり、5月なので兜が飾ってありました。
私以外にも山ガールの3人組がいました。生ビールをガンガン飲んでいて羨ましい限りでした。
舞茸の天ぷらが食べたかったので舞茸天うどんを食べました。サクサクの衣と舞茸の香りが食欲をそそったのは言うまでもない。
あとサックスの達人みたいなおじさんがひたすら演奏していました。
お腹も心も満たされたので帰りましょう。すっかり外は暗くなっておりました。
バスに揺られて武蔵五日市駅へと戻り帰宅の路につきました。
◎まとめ◎
三頭山は、アクセスの良い奥多摩エリアの山だけあり休日には多くの登山客がその頂きを目指して歩きます。
檜原都民の森からの周回ルートはお手頃で登山初心者も安心して登れるコースですが、
私のオススメは奥多摩湖から麦山浮橋を渡るルートである事は登った後でもゆるぎませんでした。
奥多摩湖の青い湖面にかかる浮橋はそれだけで絵になり、少年時代の冒険心を甦らせてくれるワクワクする道でした。
ヌカザス尾根は私の想定より急登ではありましたが、次の登山の為の体力強化には申し分ないボリュームでした。
周回ルートでは物足りない方や女王様にムチで打たれるだけでは物足りないドMの方は是非ヌカザス尾根から三頭山を目指してみてください。
ヌカザス尾根から登る三頭山登山 ~完~