続・野人と行く、限界ギリギリの無謀な旅〜厳冬期の伊吹山登山編〜
駄文だらけでお馴染みの当ブログにあの男が帰ってきた!!
狂気の精神力を持つ野人ハッシーその人である。
年末に「2連休取るんでそろそろ何処かに旅でもしませんか?」と言ってみた所、「四国ぐらいなら行きますよ。」と軽く返事が返ってきました。
普通の返答は返ってこないと分かっていましたが、もちろん私もそれを望んでいました。
野人と野犬の弾丸珍道中が再び幕を開けるッ!!
四国の山々は我々の装備と技術では心許ないので目的地を滋賀県にある伊吹山に変更しました。
結果、晴天率の低い伊吹山をピンポイントで晴れの日に登ってこれました。
厳冬期ですが、今年は雪が少ないので軽アイゼンとストックでも登れました。人気の山なのでたくさんの登山客が山頂目指し登っていました。
ピッケルで登っている人が8割くらい占めてましたけどね。
この旅で今後も雪山(初心者向けのね)に行くことを考えて、ピッケルの購入を決意しました。
時は遡り1月27日19:30 北千住にてハッシーと合流します。
そうです。長い長~いドライブが始まります。
そして登山開始までの道のりがだらだらと長いブログになるのが今回も確定しました。
夜のハイウェイを今日も車を走らせます。これはいつもの光景ですね。
港北SAに到着です。
おそらくですが、このブログ以外でここまでSA紹介に力を入れてる登山ブログは無いでしょう。
登山の内容に力入れろよ!というツッコミに何も返す言葉がありません。
そんなツッコミをスルーして食券機の前に立つのが当ブログです。
家系ラーメンの文字に惹かれて注文しましたが家系?なのか?な味がしました。家系の象徴でもあるほうれんそうが入っていませんでした。家系風ラーメンだったのかな?
東名高速をひたすら名古屋方面に走らせます。
そして到着までの距離と時間はあてにならないのがハッシーのカーナビです。
前方を走るお馴染みの宅急便のトラック。
トラックしか走ってねえ!!
夜中の高速道路では良くある光景ですね。
印象的だったのが、トンネル内の非常口のマークが巨大すぎだったことです。
スーパーマリオブラザーズ3のワールド4か!!とツッコミを入れるのは私と年齢の近い世代だけでしょう。
程なくして浜松SAへ到着です。
おみやげ売り場には、ほこりとりがほこり付きで販売されているという斬新なスタイルをとっていました。
店員、痛恨のミスですね。
このSAはミュージックスポットなるものがあり、ローランド社の楽器が展示されてました。ローランド社知らんけどな。上りのSAはヤマハが展示されているらしい。
外にはこんなオブジェがあり、鍵盤を押すと音が流れます。
「音楽と楽器の街・浜松」を前面に出したSAである。
外壁がピアノの鍵盤になってるのに気付いたのは車に戻る時でした。
よく見ると演奏用のステージまであるのね。
ハッシーの旅では車内では裸足なのがデフォルトです。
スタンドでガソリンを補給しますが、ハッシーは靴を履くのが面倒なので靴下のまま外に出て給油していました。
もう俺はそのぐらいでは驚かない。
再びやってきた恐怖エリア愛知県。この近辺の車の運転の荒さが別次元ですね。
トラックのタイヤがめっちゃ光輝いていました。そんなイカツイ車たちが煽ってくるのなんのって、決してのろのろ走っているわけではないんだがなぁ。
化石ナビに出口である関ヶ原が表示されました。山中をグルグルとダンスしていたナビもようやく機能を取り戻したようです。
最後に養老の滝で有名?な養老SAでトイレ休憩しました。
関ヶ原インターをおりて下道を走ること1時間弱。
今日の宿である道の駅「伊吹の里・旬彩の森」に到着しました。
時刻は深夜2時を回っていました。
この時期の車中泊には寝袋が必須アイテムです。車中なのでNANGAの3シーズンの寝袋でもなんとかなりました。
AM7:00 起床しました。
これから登る伊吹山の全貌が見えました。あれ??雪少なくない??
これなら登れるでしょう。と準備を開始。
夜中はあまり気づかなかったですが、市街地に意外に雪が積もっていたことを知りました。
道の駅から20分程で登山口に到着しました。駐車場は確か500円でした。
売店のおばあちゃんに支払いました。ここに登山バッジも販売してます。
登山口には神社がありました。三宮神社と地図には表記されていました。
手を清めたら、手が天に召されるであろう寒さなのは間違いない。
8:30 伊吹山へ登山開始です。
日本百名山と花の百名山の2冠を達成している伊吹山は、夏の高山植物が豊富な時期にも訪れてみたい山である。
入り口に登山ポストがあります。ここで登山届けを出しました。
百名山は標識が本当に立派です。階段を登っていきます。
本日のコースタイム行ってみましょう。
8:32登山口→8:52一合目→9:13二合目→9:38三合目→9:53四合目→10:02五合目→
11:09八合目→11:50山頂→12:53伊吹避難小屋→13:25三合目→13:56一合目→
14:23登山口
行きが黒い線、帰りが赤い線です。見ていただくと分かると思いますが、夏道から外れてます。行きは途中から直登して、下山は直滑降しましたので。
入り口からもう頂上の距離を親切に教えてくれています。
6kmすすめば山頂です。夏道なら楽勝レベルでしょう・・・・ん???
ストックが伝説の剣と言わんばかりに刺さっていました。伊吹山という魔王を攻略する為に引き抜くべきでしょうか?
伝説の剣を横目にスルーして登っていきます。すでに雪がありますが、先行者の方々にドロドロ状態にされています。そりゃそうよね〜。
うっすら雪が積もった樹林帯をつづら折りに登っていきます。
雪はべちょべちょに溶けてこのありさまです。下山時はもっと酷くなっていることでしょう。
少し進むと急にスキー場のゲレンデが広がります。
今は営業していないスキー場のゲレンデを登っていきます。
いわゆるここが、伊吹山の1合目です。
そうそうここに伊吹山1合目・・・1合目便所だと!!
何故、立派な標識に便所いれちゃったんでしょうか。
ゲレンデを登ります。雪も固くなくもふっとしてるので、まだまだ軽アイゼンとかいらないレベルです。
少し高度をあげて振り返ると米原市の街並みと近隣の山が見渡せます。霞みがかっているので遠くまでの展望は望めませんでした。
山頂方面にドライアイスみたいな雲が見えます。
山頂があの雲の中なのでは?と不安がよぎります。
なんせ、ストックと軽アイゼンとゲイターしか持ってないのでヤバくなったら即撤退せにゃならんですからね。
ゲレンデを登りきるとあるんだろうなぁ。の予想的中です。
あっさりと2合目まで到着しました。山頂の標高は1377mなので約800m近い標高差をつめていくことになります。
振り返った正面にあるのは霊仙山でしょうか?名前からして絶対に霊山だろうな。
軍手が木にぶらさがってる登山あるあるな光景だが。
書いてある山の名前が関西の山かと思ったら明神岳も六百山も北アルプスですね。
上高地で買ったのかな?
雪が例年に比べて少ないので、このように岩が露出している部分もちらほら見受けられます。かえって歩きづらかったりします。
しばらくすると一気に展望が開け、伊吹山の全貌が姿を現しました。
もう頂上が見えている。あそこまで行くだけです。
それにしても本当に雪が少ないですね。
緩やかにカーブを描くように歩いていきます。
平地歩きが多かったのであっさりとここにも到着してしまった。
3合目にはトイレがあるのですが、冬季は閉鎖されていました。
トイレ以外にも東屋があるので、休憩がてら、行動食を軽く食べました。
軒下には立派なつららが形成されていました。
再び山頂へ向けて出発です。
3合目から4合目の間隔はかなり短かった気がします。ここで先行していた男女3人のパーティに追いつきます。平日ですが登山客が結構いたな。
普段、この時期じゃ絶対にお目にかかれないであろう石に書かれた目印。
この少ない雪の量だからこそ、私の装備でも登れたに違いない。
四合目からひと登りすると再びゲレンデのような場所に出ます。てかゲレンデだったのだろうね。
そう、ここが5合目です。4合目から500mしか進んでないぞ。無理に9合目まで設けなくて良かったのでは?
午後から曇りの予想だったのですが、天気もなんとかこの日は持ちそうですね。
遠くに見えた石室は避難小屋でした。風の強い日はここでお昼食べるのもいいかもしれませんね。
中はこのようにとても綺麗です。普通に1泊できそうです。
かなり標高も高くなってきました。右奥に琵琶湖が見えるはずなのですが、霞が強くて見えません。
このあたりから傾斜が出てきます。アイゼンつけようか迷いましたが横着して粘ります。いや、つけろよ!!とブログ書きながら過去の自分にツッコミを入れました。
振り返るとそこそこに急斜面じゃあないか。しかも雪質が固くなってきてキックステップが効かなくなってきた。ここで軽アイゼンを装着しました。
久しぶりすぎてつけ方忘れて時間をロスしました。
もっと早くつけておくべきだったと反省する我々。ちなみにこの時点まではロンTにTシャツを重ね着しただけで過ごせました。
止まってるとそりゃ寒いが活動中はこれで十分と思ってました。
山頂が近づくにつれて風が強くなってきました。途端に体温が下がりロンTじゃ居られなくなりました。即座に手袋も装備しました。怖っ!!
軽アイゼンあると全然違いますね。12本爪アイゼンとピッケルと冬季用の靴を来シーズンまでには必ず揃えようとこの時、心に誓いました。
どうやらハッシーも同じことを考えていたみたいです。
眼下には、山頂へアタックする複数のパーティが見えます。
6合目と7合目は何処へ??気づけば8合目に到着していました。
あれ??ここからかなり急なんだが・・・。トレースが沢山あるので、緩やかなものもあったのだろうけど、気づけば山頂の左側(琵琶湖側)へ直登してるトレースを歩いていました。
ここまで来ると山頂も近いです。急登なのでしっかりアイゼンを効かせながら登っていきます。
山頂直前の空が近いこの感覚が好きでたまらない。
転ぶと結構滑り落ちそうなので1歩1歩確実に進んでいきます。
なんちう角度しとるんだ!
こういうのが成長するとスノーモンスターになるのかね?いつか見てみたいものです。
急登を上りきると広大な雪原に出ました。ここまでくればもう山頂も目の前です。
標識には雪山名物である立派なエビの尻尾が出来上がっていました。
風が結構強いです。てかみんな反対側から登って来るんだが・・・
直登しないトレースから皆様登ってくるようで。
山頂の社に到着しました。冬季は避難小屋として開放されています。
といっても、収容できる人数は10人入ると座れないレベルでしょう。
山頂には建物が沢山ありましたが、全て氷付けになっていました。
おに寒いのでとりあえず社の中にお邪魔させていただきます。
伊吹山は息吹山とも読むようです。それにしても無理やりな語呂合わせ感丸出しである。
疲れた身体には焼き菓子が一番である。マドレーヌやフィナンシェは登山の必須アイテムだと思う。個人的にだが
ザックを社にデポして山頂標識へ向かいます。外に出るとどこもかしこもエビの尻尾だらけで、バーゲンセール状態でした。
こんだけエビの尻尾見たら、下山後に何を食べたか分かりますよね?
もちろんラーメン食べました。
伊吹山登頂成功です。軽アイゼンでここまでこれましたが、雪が多ければ敗退していたことでしょう。
看板の裏もまた分厚いエビが形成されていました。
写真を撮ってくれたおじさんに「ジャンプしろっ!!」と強要されたので全力で飛びました。てっきりポケットのじゃら銭をかつあげされるのかと思いました。
でも跳びはねるのって気持ちいい!!
「ヒャッハー!!!」
「・・・・・・・」
ヤマトタケルが山頂で冷たくなっていました。
こんな凍り方はドリフでしか見たことがありません。
台座が「札幌雪まつりかっ!!」とツッコミを入れたくなるくらい雪の彫刻と化していました。
北の方角には伊吹山系の山々が遠くまで広がっていました。霞が無ければ、白山や北アルプスも望めるそうです。
伊吹北尾根縦走路が見えます。機会があれば歩いてみたいですね。
強い風が雪面に波のような模様を作り出しています。
伊吹おろしという季節風がこの伊吹山から濃尾平野に乾いた冷たい空気を吹き付けるそうです。
夏の時期は多くの観光客で賑わうであろう売店も厳冬期ではゴーストタウンでしかない
Mr・車中泊の通り名を持つハッシーは人っ子ひとりいない廃村に1泊するという強靭なハートを持っています。
誘われないことを祈ろう・・・。
海老の尻尾の雪のつき方って独特な美しさがありますね。霧氷が樹や建物に出来上がってく段階で強風が吹くと一定方向にどんどん発達して海老の尻尾のように見えることからその名前で親しまれています。
滅多に来れないので伊吹の山々をしっかりと目に焼き付けて下山を開始します。
スカルフェイスに変身したハッシーはゴッサムシティにでも行くのでしょうか?
私としては温泉に行きたいです。
来た道を戻ります。いや正確には来た道とは違うんだが、雪山なので決められた道があるというわけでもないですね。
トレースを辿って戻るのもいいですが、せっかくなので直滑降で行きましょう。
ズボズボとひざ下まで埋まりながら下っていきます。
もうハッシーに至っては、ケツで滑っていました。ヒップソリが欲しいですね。
そういえばまだ1時前だというのに空が夕方のようだったな。写真では分かりにくいですが、夕暮れのような空だったのを覚えている。
雪山の下りはあっという間ですね。気づけば5合目まで降りてきていました。
3合目まで戻ってくると廃業したホテルとゴンドラが見えてきました。
楽しい雪山登山も終盤に差し掛かってるということでしょう。
鞠蹴場という大男が鞠を蹴った伝説の地が近くにあるみたいです。
登山口にあった伝説の剣はきっとその大男のものに違いない!
1合目でアイゼンを外しました。ここまで途中、陽気な関西の登山者の方と歩いて降りてきたのですが、高尾山の事をすごく聞かれました。
そんなに気になるんすか?高尾山。
世界一登山客が集まる山というワードが気になるそうです。
14:23 無事に下山完了しました。
下山後のお楽しみであるファンタで祝杯をあげたのでした。
◎まとめ◎
厳冬期の伊吹山を無事登りきる事が出来たのですが、何といっても例年に比べて少なすぎる積雪量によるものでしょう。おそらく例年並みに雪が降っていたら、我々の装備では歯が立たず引き返していた事でしょう。
今後の課題としては、12本爪アイゼン・ピッケル・ワカン・靴・パンツ(共に冬季用)これら必須アイテムの確保と低山や初心者向けの雪山で経験を積む事かと思います。
山頂はこれぞ伊吹おろしと言わんばかりの冷たい風が吹き付けていましたが、天気が良好なので普段拝む事ができない関西地方の山々を見渡す事ができました。
夏場は高山植物の宝庫でお手軽に山頂に立てるそうなので、滋賀県を訪れた際は観光がてら琵琶湖とセットで訪れてみてはいかがでしょうか。
伊吹山登山編 おしまい→→→→第2部に続く